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100話 ページ14

「今日は泊まっていかない?」


遊園地の帰り道、突如言われて驚いた。

お泊まり。憧れていたものだから。


「いいの?」

「もちろん!」


だから、私はAちゃんの部屋にいる。

戻って来た私をまたメイドさん達は沢山の服を着せた。


「貴女達、雪は着せ替え人形じゃないのよ?」

「仕方ないですよぉ、だって雪様こんなに可愛いんですもの」

「そうですよ!雪様、お写真撮りませんか?」

「Aお嬢様もどうか御一緒に!」

「ごめんね、この方達可愛い子に目がないの、雪を気に入ったみたい…」


楽しい時間を過ごした。

この時間は一生忘れることのできない時間だろう。


「ふぅ…やっと落ち着いたわね」

「メイドさん達のとても賑やかな方達だね」

「ごめんね、疲れたでしょ?」

「ううん、楽しかったよ」


私達は大きな浴場にいる。

とても広い。泳げるくらい広い。

裸になるのは恥ずかしい。

見られるのは恥ずかしいけど、見てしまうのは本能。

Aちゃんはとてもスタイルが良く、細い。

モデルさんのようだ。

ゆっくりと湯船に浸かり温まった。

パジャマと下着はAちゃんが貸してくれた。

どちらも高価そう。

Aちゃんの部屋に戻ろうとすると、写真で見た人がいた。

きっとAちゃんの両親だ。


「お父様!お母様!おかえりなさい」

「A、ただいま」


お母さんの方はニッコリ笑って答えた。

お父さんの方は頭をポンポンと優しく叩いていた。


「お父様、お母様紹介するわ、親友の白石雪よ」


Aちゃんのお母様とお父様がこちらを向き目が合う。

Aちゃんとよく似た目でドキドキする。

パジャマ姿だけど、大丈夫だったかな…


「まぁ、なんて可愛いらしい娘なの!雪さん、Aと仲良くしてくれてありがとう」

「そうか、親友か…雪さん、娘をよろしく頼む」


どちらもニッコリと笑ってくれた。

そしてお父さんはポンポンと頭を叩いて、

お母さんはAちゃんのように抱きしめてくれた。


「え?」

「ふふっ、ごめんね、抱きしめたくなっちゃったの」


嬉しかった。温かかった。

これがお母さんなんだ。お父さんなんだ。

私が絶対に得ることはできない愛。

それは両親からの愛。


「雪、お父様とお母様のこと、自分の両親だと思っていいからね」


Aちゃんもまた抱きしめてくれた。

なんて温かいんだろうか。


「いいんですか…?」

「もちろんいいわよ、貴女も大事な娘よ」


また涙が止まらない。

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りんや(プロフ) - †閃光の舞姫† さん» コメントありがとうございます!そうなんですか!?パラフィリアはホントに良いですよ〜^^応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年10月3日 0時) (レス) id: 683cd6e004 (このIDを非表示/違反報告)
†閃光の舞姫† - これ読んでパラフィリア気になって調べちゃいました!パラフィリアって奥が深いですね〜!更新、楽しみにしてます!ガンバです! (2017年10月3日 0時) (レス) id: 47c9036a7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんや | 作成日時:2017年8月8日 20時

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