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80話 ページ36

「なぁ…A」

「何…?」


隣を歩くA。

微笑んで返事をする。

どうしてもその笑顔に慣れない。


「パラフィリアってさ、他人からの影響でもなることってあるんだよな?」

「そうよ、だから増えていくの」

「もし、帝光中でもそうだったのならば、お前や祥吾はどうなんだ?」


Aは少しだけ驚いて、また微笑んだ。


「さぁ、どうかしら…」

「送ってくれてありがとう真、また明日」

「あ、ああ…」


曖昧な返事だな。

どっちなんだ?

あいつも祥吾もパラフィリアンになってしまっているのか?

俺らの仲間になってしまっているのか?


「分かんねぇ…」


Aの豪邸を眺めながら呟いた。

相変わらずでけぇなぁ。

俺んちも普通の家よりでけぇけどAんちはその倍ある。

そこに父親と2人暮しだからびっくりだよなぁ。

母親が亡くなったのは俺らが中1の頃らしい。

理由は聞けない。

でもあの優しかったおばさんがいなくなっているなんて、不思議な感じだな。

それもAが変わってしまったことに関係しているのか?




______


___


_


灰崎side


「入学おめでとう祥吾」

「真!」

「久しぶりだな」

「おう」


Aの推薦で俺は霧崎第一に入学した。

髪型も変えなかった。そのままで会いたかったから。

入学式を終え、俺は校舎裏の桜の木下にいると真と再開した。


「相変わらずゲスそうな顔」

「お前こそ生意気そうな顔だな」


久しぶりに真の顔見て少し安心した。

何も変わっていない。懐かしい。


「Aは?」

「お前まだAのこと好きだろ」

「ああ」

「お?やけに素直じゃん、どうしたの」

「Aを守ると決めたから」

「ふっ…騎士様ってことか」


守ることしか出来ない騎士に俺はなる。

大好きだから。

あいつらから守る。きっとあいつらはここを探し出すから。


「Aならお前の後ろにいるぜ」


そう言われ、パッと背後を見た。

そこには


「久しぶり祥吾」


大好きなA。

守ると決めたA。

突然目の前から消えたA。


「A…」


フラフラと俺はAに近寄った。

抱きしめたかった。抱きしめてほしかった。


「本当にごめんなさい、でもアナタのためだったの…」

「俺は…俺はどうなってもよかった…だから連絡が欲しかった…ずっと会いたかった…」

「祥吾…」


Aは俺をギュッと抱きめた。

温かい。Aの鼓動を感じる。

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雪乃 - あの私は小説を書いた事がないので偉そうに感じるかもしれませんがこれはキャラヘイトだと思いますそれにこれにはグロテスクな表現が含まれています、なのでこの作品にはパスワードを掛けて閲覧制限をするべきだと思います (2017年12月25日 13時) (レス) id: 0da61e2d86 (このIDを非表示/違反報告)
白黒星(プロフ) - すみません、やっぱり見たくないです (2017年8月2日 18時) (携帯から) (レス) id: c9828dface (このIDを非表示/違反報告)
白黒星(プロフ) - みたいです (2017年8月2日 18時) (携帯から) (レス) id: c9828dface (このIDを非表示/違反報告)
ハートの時計(プロフ) - 見てみたいです (2017年8月2日 5時) (レス) id: def9e50cf5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - りんやさん» いえいえ!喜んでもらえて光栄です(*^-^*)りんやさんの小説にいつも元気もらってます!両方とも全然大丈夫です!! (2017年7月21日 18時) (レス) id: 206703b95c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんや | 作成日時:2017年6月15日 21時

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