アナタに最高のBadendを【黒バス】 (ページ45)

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43話ページ45

「浮かれてるね～」

ハッとして背後を向くと俯いて顔が見えない桃井の姿。

桃井はあちらこちらに包帯を巻いていた。

パーカーも破れていて白い肌があらわになっている。

そして黒薔薇の指輪をしている。

それにしてもやっぱりこいつは芽亜里が幸せな時を狙って現れる。

「別に嬉しいからいいじゃない、あの黄瀬くんとも付き合えたし、それにあんたの大好きな先輩に家に誘われたのよ？あはは、羨ましいでしょ？悔しいでしょ？」

「…」

桃井は何も言わずに俯いたまま芽亜里を追い越して校舎の中に入って行った。

その後ろ姿に少し違和感を感じた。

いつものあいつと何かが違う。

何が違うかわからない。

「…なんだろう？…まあ、いいか」

考えてもわからないので考えるのをやめた。

あいつのことを考えている暇はないのだ。

「そうだ…灰崎くんに話しかけないと…」

とりあえず昼休みに桃井に気づかれずに隣のクラスに言って、桃井について聞かないとね。

「…ふん、馬鹿め」

昼休み＿＿＿＿

「あの～灰崎くんいますか～？」

昼休みになり隣のクラスを訪ねた。

桃井はその日教室にはいなかった。保健室にいるらしい。

そして黄瀬くんもいなかった。どこに行ったんだろうか。

「隣に転校してきた城田さんじゃん！やっべ、超可愛い！」

「ほんと！お肌もスベスべ！どんな手入れしてるの？？」

「うちのクラスに来て欲しかったなぁ～」

芽亜里が訪れるとこんなふうにみんなが騒ぐ。

ほら、やっぱり芽亜里は誰よりも可愛いの。

「灰崎くんは昼休み前からずっといないよ～？またサボりかな？」

いない…？

サボり…？

でも、見た目不良っぽかった納得できる。

「そう…分かったありがとう！」

笑顔でそう言い自分のクラスに戻った。

灰崎くんに会えなかったのは残念だけど大丈夫。

別に急ぎの用じゃないし、いつでもいい。

それに部活でも会える。

放課後＿＿＿＿

「え、いない？」

「うん、崎ちん来てないよ～」

放課後、部活には灰崎くんはいなかった。

近くにいた紫原くんに聞いてみると

「理由は知ってる？」

「ん～、いつものサボりじゃない？そっちこそなんで～？｣

「ちょっと聞きたいことがあるの」

「ふ～ん、崎ちんにはあんま近寄んない方がいいと思うよ」

「…どうして？」

紫原くんは急に真顔になり真っ直ぐ芽亜里の目を見た。

「ガォー！」

「…え？」

「崎ちんは狼だからいつ襲われるか分かんないよぉ？」