本物の魔風のお出ましだい! ページ20
3色の団子を頬張るウェンティと、大人の女性が2人。
この稲妻の神聖な地である神社へ、万葉と言うらしい浪人と平蔵とで向かったのが始まりだ。そこで先程の彼らを見つけた。
「あら、風神のお友達でしたか」
「童、もしや甘雨先輩の言う雪山の龍ではないか?この目で収めたいと思っておったが、まさか近日中に実行出来るは」
狐耳の女性が真っ先に近寄って、にこにこしながら語る。甘雨の名前をここで聞けるとは思わず、目を丸くする。
「ボクより先に近寄らないでよ、キツネさん」
「何を言う、妾が先じゃ。風神は飽きる程、毎日見ておるのだろう?A殿、お逢い出来て光栄じゃ」
「飽きたことなんて一度も無いけど?」
狐耳の女性にたじたじになっていると、長い黒髪の女性が近寄って来た。そして、狐耳の女性を諌めた。
「神子、程々に。Aさん、ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません」
柔らかな薄紫色の雰囲気を漂わせた彼女を前に、平蔵と万葉は畏っている。
「将軍様がいらっしゃるとは思わず……無礼な態度を取っておらぬか心配でござる」
「将軍様がいらっしゃってもおかしくはない場所ですねー僕は仕事をしっかりしてまーす」
「お二人とも、畏まらなくて大丈夫です。どうか普通に接してください」
将軍様と聞いて、ぴんときた。そうだ、ここの神様は自身が国を治めていると2人とウェンティから聞いた。つまり、このスタイル抜群の女性が雷神様ということだ。
と言うより、アイツのせいでここにいるじゃん。ふざけんな。
「可愛らしいお友達ですね」
言い合う狐耳さんと風神を他所に、将軍さんが近寄ってくる。肌にびりびりと雷の気配を直に受けた気分で、前に感じた悪意のあるものとは違った感覚がする。
彼女に握手を求められたので、握ってみる。刀を持っているからか、マメがちょっとあるけどそれを強く感じさせない柔らかくて綺麗な手だ。
「どうなさいました?風神のお連れさん?」
カッコ良くも美しい雷神様に、若干見惚れてた。自分は子どもの体でもあるし、全体的に平たいし、憧れが増長している。大人になりたい、そんな気持ち。
「別にそのままでも良いじゃん。ボクたち、お酒飲めるし……それに、子どもならボクたちがいつも一緒にいても変じゃないでしょ?」
そう言いながら近寄って、わたしの肩に飛び付くウェンティ。ちょっとバランスを崩して倒れ、彼が上になって覆い被さっている状況になった。人前だから恥ずかしい、やめろ!
きっと至軽風の方が慣れているから→←颶風な心情を癒して欲しい
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