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まとわりつく砂風の如し ページ16

本当にあれ以来から、セノが時たま遊びに来るようになった。マハトマみたいなもので忙しいとかあるけど、本当に来る。一週間に一度は最低にくる。雪山に上半身裸で足もかなり露出しているから平気かと訊ねたことがあったが、彼はきょとんとしながら「何を言っている、恋い慕う相手の前で心温まらないヤツがいるのか?」と逆に質問された。
ウェンティに言えば、愛の力と教えられた。愛の力ってスゲー。

「七聖召喚をAとしたいんだが、良いか?」

巷で聞いたことのあるもので、どういうものか知らなかった。セノ曰く、奥深いカードゲームとのこと。試しに数枚見せてもらうと、色んな人が描かれたカードがあった。中には魈とか甘雨とかあって、知り合いの姿もあってびっくりした。

「Aのカードは見たことがないな……カードにあったら、もっと早く知れていたはずだ」

ウェンティのカードをたまたま見付けた矢先で、その言葉を言われる。確かに、わたしの描かれたカードがない。あってもなくてもどっちでも良いから、気にしていないとセノに伝えた。

「俺が気にする、Aのことを少しでも知るきっかけが欲しかったんだ」

赤い眼差しでこちらをじいっと見詰める。そんな眼差しに狼狽して後退ると、何か柔らかいものにぽふっと当たった。そっと後ろを向くと、そこにはウェンティがいて間も無くわたしに腕を伸ばして来た。

「ふふふ、ボクに擦り寄って来て可愛らしいものだね。ほら、ボクからも。ぎゅうっ」
「……人前で抱擁するものか、しかもこちらを好いている相手だぞ」
「別に良いよ、君にはボクたちの関係に踏み入ることはできないはずだよね?」

何でウェンティはセノと言い合うんだろうと思っていると、ウェンティはべえっと舌を出している様子だった。

「ダーメ、ボクの大事で長い付き合いの旧友なんだよ」
「知っている、彼女から聞いた」
「じゃあ、寒そうだからもう来なくていいよ」
「寒くはない、Aに逢えるなら無問題だ」

押し問答な状態だが、セノに何故か指を絡め合うような手繋ぎをしていた。後ろと前で誰かに囲まれるのは経験としてあんまりないので、焦りで顔を伏せている。あまり良い雰囲気じゃないし、セノにもう片方の手も絡めとられる。もう何が何だか分からなくて、頭と視界がぐるぐるしてくる。



「わあっ、A?大丈夫?こんなに免疫なかったの?」
「ああ、この時までも愛らしい……」
「見惚れてる場合じゃないでしょ?」

風雷の狭間でもきっと→←台風並みの仰々しさを漂わせる



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作者名:さとうみさん | 作者ホームページ:http  
作成日時:2023年4月25日 22時

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