【歌い手】同じでも違うもの (ページ16)

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十六日目.意-ココロ- ページ16

Aside

真｢じゃあ僕たちはこの辺で…｣

『あ、うん』

彼｢無理だけはしないでね｣

坂｢明日も来るからな！｣

志｢えーっと…w｣

詩｢あ！A！紹介するね！私と同じクラスの志麻くん！｣

『あぁ、どうも永戸です』

志｢よろしくなー！｣

この人も坂田さんと同じなんだろうな
きっと坂田さんと同じで詩乃のことが好きなんだろうな
いいね愛されヒロインは
こんな脇役と違っていろんな人から｢愛｣をもらって

セ｢A？考え事でもしとるん？｣

『え、いやなんも』

私はとっさに目を逸らした
センラくんの綺麗な黄色い瞳
私が見るには眩しすぎて、なんてちょっと大袈裟だけど
あのままセンラくんの目を見ていたらきっと＿＿＿

詩｢じゃあねA！また明日来るから！｣

『うん、ありがとう』

私はまた自分のこころに嘘をついた
本当は来てほしくない

みんなが病室から出ていく
そのまま二度と来なくてもいいのに

あぁ学校で言われるんだろうな

《じ殺しようとしたやばい奴》

って
せっかくできた友達もこれで失うんだろうな
そうだよね
こんなじ殺しようとした奴なんか誰も
友達になんてなってくれないよね
だってこんなやつの友達でいたら自分も
言われるかもしれないから
結局人間なんて自分が一番可愛いんだよ
いつも自分の立ち位置を探して
もしなかったら嫌いな奴を蹴落として
そこに平然と居座るような奴がいるんだから

『もうやだ…誰か助けてよ…』

カッターを握ったやつが言うのはおかしい？

でも、動脈を切るのが私にとっての

数少ない救いなんだよ

『…ごめんっ……ごめんね…っ』

誰に謝っているのか自分でも分からない

双子の姉、詩乃へか

自分への慰めか

はたまたその両方か

綺麗で赤い華が彼女の手首を踊る

それはまるでワルツを踊る女のように