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十七日目.「愛」と「血」 ページ17

Aside

入院してからおよそ2週間が経った






『…っ』

どうせあと少しでタヒぬんだ
なら、生きてるうちに
「生きてた」って印を証を腕に刻んでおこう
今まで以上に深く、めいいっぱい力を込めて


?「なにしてんの」

ふと聞こえた優しい声
声の正体は同じ部屋にいる浦田さんだった
浦田さんは幼い頃からの病気でここにいるらしい
私と同じく余命宣告もされている

『ぇ、なんもないけど』

素早くカッターを布団の中に隠して
いつもの笑顔で返す

浦「なんもないわけないだろ」

『なんもないから』

浦「じゃあその腕の傷と布団の中に隠してるカッターは何?」

『!それ、は』

浦「もしかしてリスカ?」

『……』

私は無言で頷いた
あぁ浦田さん引いたかな
他の人と同じこと言うのかな

浦「…そっか、程々にしとけよ」

『え、?』

予想の斜め上の回答をされて
私はびっくりした
引かないの?

浦「引くわけないだってリスカする何かがあるんだろ?」

だから引かない、そもそも引く意味が分からない
そう言う浦田さんは少しだけ悲しそうな目をしてた
もしかして、と思ったけど変な期待をするのはやめよう

『ぁ、ありがと、ぅ』

浦「おう」


ガラッ


?「うらさーん!来たでー!」

元気な声とは裏腹に浦田さんは迷惑そうな顔をしてる

?「うお!?うらさんこの美人誰やねん!!」

浦「永戸A、2週間ぐらい前に同じ部屋に入院した」

?「ん?永戸A?ん?え?俺のクラスに同姓同名の子おるよ」

浦「ふーん本人じゃなくて?」

『…どうも』

そう、この声の主は坂田さん

坂「Aちゃん!?同じ部屋やったん!?」

『そうですよ、気づくの遅くないですか』

坂「酷ない!?」

『あの、うるさいんで静かにして貰えます?傷に障るんですよね』

坂「なんかAちゃん前よりも塩ちゃう?(´・ω・`)」

『いやきっと気の所為です←』

十八日目.愛に飢えすぎた彼女の話→←十六日目.意-ココロ-



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作者名:沙灯 | 作成日時:2019年4月7日 21時

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