【Where am I】 ページ2
(これは…)
私は、暗い廊下を走る自分を見ていた。破れたドレスの裾を引きずり、裸足で走っている。
(あの夜の街の夢に似ている…)
生々しい悪夢だ。今度は何を見ることになるのだろう、と私は走って行く自分を見つめ続けた。
蝋燭がまばらに並んだ暗い廊下を抜け、広い場所に出た。その十数メートル先に、見慣れた二人の男と一匹の犬の姿が見える。
『逃げて！』
広間の壁を調べていたアヴドゥルさんの体が腕を残して消えた。赤い液体が飛ぶ。
誰かがアヴドゥルさんの名を叫んだ。
悪夢の終わりと共に意識が覚醒した。開いた目に飛び込んできたのは闇ばかりだ。
(ここは…？)
暗いせいでよくわからないが、どうやら自分は何か椅子のようなものに座らされているらしい。
(それに、服が…変わってる…？)
胴体に圧迫感があるし、暗い中で触れた服の材質はホテルで着ていたものとは違う。
(これは…サテン？)
するりと滑らかな生地に触れ、そっとさらに指を周囲に滑らせる。座っているのは恐らく木の椅子だ。背中と尻の下には細かい刺繍が施されたクッションがあるらしい。
そして、この場所はどうにも埃っぽく感じる。古い家の中なのか、微かなかび臭さと湿ったひやりとした空気が居心地の悪さを誘う。
その時、ドアの軋む音と共にオレンジ色の光が見えた。
？「…お目覚めでしたか」
近づいてくる足音と共に、少しづつ部屋の中の蝋燭に火が灯される。蝋燭の灯りの中で、ようやく声の主である男の姿が見えた。長い髪をターバンのように頭の上でまとめ、アルファベットのTとDをモチーフにした大きなピアスが揺れている。
『貴方、誰…？それに、ここはどこなの…？』
？「焦らずとも全て説明いたしますよ、A様」
そう言うと、男は上品ではあれど、貼り付けたような笑みを浮かべた。
『どうして私の名前を─』
思わず身を引いた時、足元でガシャリという音がした。はっと下を見ると、足首に太い鎖がまかれている。それに、予想通り服装が大きく変わっていた。サテン地の古い形のドレスに、コルセット。足元は絹のヒールで飾られている。
？「そう警戒しないで。貴方のことは丁寧に扱えと命じられています」
男はそう言うと、私の前にまで歩み寄ってきた。
？「ああ、自己紹介を忘れておりました」
そう言うと、男は綺麗にお辞儀をして見せた。
テ「わたしはテレンス・Ｔ・ダービー。この館の執事を務めております」
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アリス(プロフ) - 続きがみたい...好きだわぁ (11月10日 10時) (
レス) @page6 id: e3fe7634b2 (このIDを非表示/違反報告)
mare 1309 - 続きが気になりすぎます！ (2021年12月29日 16時) (レス) @page6 id: dfb962b940 (このIDを非表示/違反報告)
典楽 - いいえ、質問を答えて下さってありがとうございます (2021年10月28日 17時) (レス) @page6 id: a3c70cbb44 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 典楽さん» 典楽さん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです!(^^)! 花京院の扱いについてですが、小説のオチに関わる部分なので伏せさせていただきます、申し訳ありませんm(__)mこれからも閲覧していただければ、嬉しいです！ (2021年10月27日 21時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
典楽 - とっても好きです。更新頑張ってください、そしてこの小説の花京院は原作通りですか、それとも生存院ですか？ (2021年10月26日 21時) (レス) @page6 id: a3c70cbb44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2020年3月8日 0時
