【遠のく意識】 ページ1
花「─それはできない」
はっきりとそう言って、典明は首を横に振った。
花「君の気持は僕にもわかる。あと少しという所で足止めを喰らう悔しさは、僕も味わっているからね…。でも、だからこそ君を連れてはいけないんだ、A」
典明の言葉に、私は静かにうつむいた。
(やはり…ダメか…)
ジョジョ達と合流するという典明に、「連れて行って」と頼んでみた。だが、やはり彼も足の傷を理由に首を横に振った。
『…そう、よね』
花「すまない」
『いいのよ』
私はそう言って、何とか微笑んだ。自分でも少し引き攣っているのはわかるが、それでもそうするべきだと思った。
『…今はここで休むわ。でも、私も必ずあなた達を追う』
花「ああ。だけど、どうか無理だけはしないでくれよ」
『わかってる』
典明はそっと私の手を握る手を離した。
花「…それじゃあ、行くよ」
『ええ、またあとで』
そっと微笑んで部屋を出て行く彼の背中を見送って、私はそのままベッドの上に倒れた。部屋の中で鳴る時計の針の音がやけに大きく聞こえる気がした。
─コンコン…
不意に控えめなノックの音が聞こえてきた。
「SPW財団のものです…」
聞こえてきた声に、私は一瞬緊張した。このタイミングで財団の人が来たということは、DIOに関する何かしらの情報が手に入った可能性が高い。
『…ドアを開けます。少し待ってください』
私はスタンドでドアの鍵を外す。「どうぞ」と声をかけると、ゆっくりとドアが開いた。ドアの向こうには、財団の制服を着て帽子を目深にかぶった男の姿があった。
(室内で…帽子…？)
微かに覚えた違和感に警戒しつつ、私は男を見つめた。
『何かありましたか？』
「先ほど、Mr.ジョースターからご連絡がありました」
『…！DIOが─』
「いえ、あなたについてです。「足の痛みが引けば合流できるかもしれない。医者に連れていって、鎮痛剤と応急処置をしてもらうように」と指示を受けました」
男がゆっくりと近づいてくる。
「今は歩くのが難しいでしょうから、肩をお貸しします」
『え、ええ…ありが─』
私の目の前に立った男の手には、注射器が握られていた。
『…！何を─』
大声を上げるより早く口が手でふさがれた。それと同時に、首筋に針の刺さる痛みを感じる。
(ああ、クソ…！刺客か…！！)
私の意識はゆっくりと闇に沈んでいった。
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アリス(プロフ) - 続きがみたい...好きだわぁ (11月10日 10時) (
レス) @page6 id: e3fe7634b2 (このIDを非表示/違反報告)
mare 1309 - 続きが気になりすぎます！ (2021年12月29日 16時) (レス) @page6 id: dfb962b940 (このIDを非表示/違反報告)
典楽 - いいえ、質問を答えて下さってありがとうございます (2021年10月28日 17時) (レス) @page6 id: a3c70cbb44 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 典楽さん» 典楽さん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです!(^^)! 花京院の扱いについてですが、小説のオチに関わる部分なので伏せさせていただきます、申し訳ありませんm(__)mこれからも閲覧していただければ、嬉しいです！ (2021年10月27日 21時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
典楽 - とっても好きです。更新頑張ってください、そしてこの小説の花京院は原作通りですか、それとも生存院ですか？ (2021年10月26日 21時) (レス) @page6 id: a3c70cbb44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2020年3月8日 0時
