ピアス【メローネ】 リクエスト・ぽむぽむぷりんさん ページ20
ピアスを開けたい、そう言い出したのは彼女だった。
「…ピアス?」
「うん、開けようと思ってるの」
ベイビィにする母体の選定の手を止め、俺は特に表情を変えないAの顔を見つめた。
「痛いと思うぜ」
「何を今更。この仕事やってるんだから痛いのは慣れっこよ」
パラ、と次の「仕事」の書類を捲る細い指を見つめながら、相変わらず表情を変えないAの真意をはかろうとした。無駄なことは嫌いだから、ピアスなんて開けたって意味が無いと思っているのだろうと思っていた。
「病院で開けるのか?」
「いや、それは足がつくから自分で開けるつもり」
パラリ、とまた書類を捲る音が静かな部屋に響いた。やはり足がつくかもしれない行為は控えている。
「気になるな」
「何が?」
「なんであんたはピアスを開けたいんだ?」
Aが小さく首を傾げる。
「あんたは無駄が嫌いだし、マゾヒストの傾向もない。そう考えると、わざわざ自分の体に穴を開けるような行為をしたがるタイプではないだろう?だとすると、ストレスからくる自傷行為か?でも、そんな兆候は見えない。もし、俺があんたの恋人として信用されていなかったとしたら、この仮定は崩れる訳だが─」
「ストップ、メローネ」
Aはそう言うと、俺の口に人差し指を当てた。
「…そんなに気になるの?」
「ああ」
そう言うと、Aは少し考える素振りを見せた。
「…貴方、自分で開けた?」
「ん?ああ…」
「じゃあ、貴方が私に開けてよ。ピアス」
「たとえピアス穴を開けるだけだとしても、あんたに傷をつけることはしたくないんだが……」
「…じゃ、ピアスの理由を開けたら教えてあげる。それでどう?」
結局、その好奇心をくすぐる魅力的な提案に負け、俺はAにピアスを開けることにした。ギアッチョが作ってくれた氷で彼女の耳を冷やし、専用のキットの針を耳に当てる。
「力、抜いといてくれ」
パチン、と軽い音と共に、Aの耳に穴があいた。
Aは僅かに顔を顰めただけだった。もう片方の耳も特に問題なく終わり、俺はAの耳を消毒しながら答えを聞いた。
「なんでピアスを開けたかったんだ?」
すると、彼女は気恥しそうに少し目を伏せた。
「……貴方とのお揃いが欲しかったの」
その言葉に俺の心臓が高鳴った。普段はクールな彼女のほとんど見ることの出来ない可愛い姿だから。
「…じゃあ、今度はお揃いのピアスでも買いに行こうか」
友達【シーザー・A・ツェペリ】→←ファミリーネーム【空条承太郎】
295人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りと(プロフ) - ∴さて、どこへ行こうか。さん» リクエストありがとうございます!返品が遅くなってしまい、大変申し訳ありません<(_ _)>リクエストの方、承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で取り扱わせて頂きたいと思います(^^♪ (2021年8月23日 23時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ?さん» ?さん、リクエストへの返信が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>リクエスト承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせていただきますヽ(*^^*)ノ (2021年8月12日 0時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - モカさん» 返信がとても遅くなってしまい、申し訳ありません!リクエスト、承りました! (2021年7月19日 22時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
∴さて、どこへ行こうか。 - リクエストです。普段甘えない花京院典明の恋人(夢主)が甘える、という内容なのですがよろしいでしょうか?出来れば生存ifを希望します… (2020年11月6日 19時) (レス) id: a195df0bb5 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - リクエなのですが、露伴先生と病弱な夢主が恋人関係なのですがその病弱な夢主が意外にも悪徳的なスタンドを持っている事を知って何があったのかと聞くと泣きながら過去にあった親からの虐.待などを夢主が語っていき、その日は思う存分甘えされるみたいなのをください! (2020年3月27日 16時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りと | 作成日時:2019年1月9日 21時