しょうがない人 【ホルマジオ】 ページ1
「しょうがねェな」が口癖のあなた。
「ホルマジオ、またイルーゾォに好き放題言われてたわ」
私の言葉にホルマジオは少し口角を上げた。が、何も言わない。
「少しは怒ったらどうなの?」
「怒るほどのことじゃない」
不服そうな顔をして見せると、ホルマジオは「しょうがねぇなぁ」と笑って私の頭をぽんぽんと撫でる。
「ンな顔するんじゃねェよ」
「いやよ」
むっと頬を膨らます私に、彼はちょっと困ったように笑った。
「俺はふくれっ面のお前より、笑ってるお前の方が好きだぜ」
そんなことをニコニコ笑っていうのだから、なんだか怒るのも馬鹿らしい気がしてくる。わかったわよ、というと、彼はまたどこか余裕のある笑顔を浮かべた。
数日後、私は頬を腫らしてアジトのソファに座っていた。頬にあてた氷が冷たい。じわじわと熱を発する頬に顔をしかめていると、突然アジトの扉が勢いよく開いた。プロシュートかギアッチョか、と顔を上げると、こちらを睨むような顔で立っているホルマジオがいた。
「え、ホルマジオ…!?あなた、今日はアジトに来る日じゃ─」
「どこの誰だ?」
肌が粟だつほどの殺意がこもった彼の声に、思わず言葉を失った。こんなに怒っている彼を初めて見た。
「おい、お前にそんな傷をつけたのは何処の誰なんだって聞いてんだ」
「し…知らない、人よ」
「…どんな奴なんだ」
怒りに震える手が私の頬に触れた。鈍い痛みに顔をしかめると、ホルマジオの顔に険しさが増す。
「ホルマジオ、聞いてないの…?そいつなら、もうリーダーが捕まえてくれて…あ!」
私の言葉が言い終わるのを待たずに、ホルマジオは私に背を向け「例の部屋」に入って行った。数分も経たぬうちに、その部屋から彼の怒号と男の悲鳴が聞こえてくる。
さらに数分後、リーダーが部屋から顔を出した。
「ホルマジオは…?」
「まだ落ち着かねェらしい…まあ、頭が冷えたら出てくるだろう」
大丈夫か、と私に問いかけるリーダーに、首を横に振った。
「私、こんなにドキドキしたの…久しぶりなの。幸せで気が狂いそうだわ…」
初めて彼に恋をしたときのようだ。
(私のためなら『人の命一つすら何とも思わない』男…!?イカれてるわ…!!)
思わず笑ってしまいそうだ。
(本当にイカれてる…でも…それがいい、サイコーだわ…!!)
微笑んで、リーダーを見上げた。
「ねえ、リーダー」
「私、ホルマジオにまた恋をしたわ」
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りと(プロフ) - ∴さて、どこへ行こうか。さん» リクエストありがとうございます!返品が遅くなってしまい、大変申し訳ありません<(_ _)>リクエストの方、承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で取り扱わせて頂きたいと思います(^^♪ (2021年8月23日 23時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ?さん» ?さん、リクエストへの返信が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>リクエスト承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせていただきますヽ(*^^*)ノ (2021年8月12日 0時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - モカさん» 返信がとても遅くなってしまい、申し訳ありません!リクエスト、承りました! (2021年7月19日 22時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
∴さて、どこへ行こうか。 - リクエストです。普段甘えない花京院典明の恋人(夢主)が甘える、という内容なのですがよろしいでしょうか?出来れば生存ifを希望します… (2020年11月6日 19時) (レス) id: a195df0bb5 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - リクエなのですが、露伴先生と病弱な夢主が恋人関係なのですがその病弱な夢主が意外にも悪徳的なスタンドを持っている事を知って何があったのかと聞くと泣きながら過去にあった親からの虐.待などを夢主が語っていき、その日は思う存分甘えされるみたいなのをください! (2020年3月27日 16時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りと | 作成日時:2019年1月9日 21時