【髪】 ページ10
エジプトはほとんどが砂漠の国で、降雨量が世界で最も少ない地域の一つである。しかし、砂漠の中にありながらナイル河の恵みで食料は満ち、美しい肥沃地帯が続く、かつての古代エジプト文明に、ペルシア、ギリシア、ローマ、イスラム、アラブという多様な文化が織り込まれた
その地に、私達はようやく上陸している。
ポ「──A、本当にいいのかァ?」
ポルナレフが眉をひそめて、私を見つめた。
『いいわよ。むしろ、これじゃあ不格好でしょう?』
そう言って、私は右耳の下までばっさり切られた髪を軽く持ち上げた。女教皇の攻撃で切れてしまった髪は不揃いに揺れている。もう片方の髪は長いままだから、余計に不格好だ。
ポ「せっかく綺麗な髪だったのによォ〜。」
『でも、こんな髪型じゃだめでしょ?』
ポ「それはそうだけどよォ…」
いいから切っちゃってよ、と笑った私にポルナレフは渋々といった様子で銀の戦車を出すと、私の髪に剣の切っ先を当てた。
ポ「じゃあ切っちまうからな!?」
『良いって言ってるでしょ』
ちょっと肩をすくめた瞬間、私の耳元で空気を切る甲高い音がした。と同時に、金色の髪の房が私の肩を滑り落ちて砂の上に落ちる。ふわりと軽くなった頭はやはりどこか違和感があるが、すっきりした気分だった。
『ありがとう、ポルナレフ。』
足元に落ちた髪の房を市の記憶でバラの花びらにして消してしまうと、私はポルナレフに微笑んだ。
ポ「おう!…ふーん。結構ショートも似合うんじゃねぇの!」
ばっちりだぜ、と笑ったポルナレフに私もウフフと笑った。
花「A、首の傷の調子は?」
『心配しないで。血は噴き出したけど傷は浅かったのよ』
花「だが…せっかくの髪が…」
『髪のことは気にしないで。いずれ伸びるもの。それに…ショートも似合う、でしょ?』
ね?と笑うと花京院も「そうだな」と笑った。
ア「みんな、この先に町があるらしい。とりあえず、そこに向かうぞ」
たまたま近くで釣りをしていた人に話を聞いていたアヴドゥルさんが私たちを呼んだ。
ポ「まったく…立往生になるところだったぜ」
ポルナレフがちょっと肩をすくめる。
花「しかし…いよいよDIOのいるエジプトにたどり着けた、というわけか…」
『…ええ』
沈んでいく夕日を見つめながら、私は小さく頷いた。
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神奈(プロフ) - つまらない作品ですが、見て下さりありがとうございます!同じことを言いますが、更新頑張ってください( ^ω^ ) (2019年4月24日 22時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 神奈さん» 神奈さんの素敵なコメントに最高に「ハイ!」ってやつだアアアア!!! 改めまして、励みになるコメントありがとうございました!神奈さんの作品も、また拝見させていただきますね!これからも楽しんで読んでいただけるよう努力してまいります!よろしくお願いします! (2019年4月24日 22時) (レス) id: 21e67a9066 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - 今起こった事をありのままに話すぜ…私はついさっき1話を見たばっかだっただが、気付いたら【stronger】まで読んでいた…何を言ってるか分からねーと思うが、私にも分からなかった……まぁ、短く言って面白かったです!頑張ってください! (2019年4月24日 2時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - (名前)さん» (名前)さん、ありがとうございます!楽しんで頂けたようで幸いですヾ(●´∇`●)ノこれからも更新していきますので何卒よろしくお願いします! (2019年1月20日 22時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 気づいたら1話からここまで読んでいた.......!続きが楽しみです! (2019年1月20日 5時) (レス) id: d9386c92f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りと | 作成日時:2018年11月2日 0時