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【力の利用】 ページ50

ジョジョの口からはボタボタと赤い血が溢れている。

(な、何とかしなくちゃあいけないッ…たとえ、敵わなくともッ…)

 一か八かの賭けだが、アヌビス神と戦うしかない。背後の死の記憶が黒い茨を触手のようにうねらせた。

承「…!!」

 ジョジョの星の白金がアヌビス神の刀身に震える手で触れた。

ポ『フフフフ…』

 ポルナレフの背後にゆらりと何かが現れる。銀の戦車とは明らかに別の何かだ。黒い犬のような頭を持つ男……其の姿にすぐにそれがアヌビス神なのだと気がつく。エジプトの壁画に描かれる姿とよく似てはいるが、神と呼ぶには邪悪すぎる「それ」は笑っていた。

ア「掴んでも止めることも抜くことも出来んぞ!この妖刀…お前の『スタープラチナ』の力は既に(おぼ)え、上回っているのだ…このまま押し込んでやる!!」

承「お……押し込むのか……!」

ア「ああ!そうだよ!押し込むともッ!DIO様が喜ぶぜ──ッ!!」

承「や…やめろ、こ…これ以上押し込むのはやめろ……死…死んじまうッ……」

ア「やめるか─ッ!!」

『!!』

 私はアヌビス神の刀身を死の記憶で掴んだ。手のひらに鋭い痛みが走る。が、その痛みに怯んでいる暇はなかった。死の記憶の茨がアヌビス神の刀身に絡みつく。

ア「!!」

 取り込む、そうすれば私が次のアヌビス神になりかねない。でも、今アヌビス神は確かに『押し込む』と言った。ならば、それを利用するまでだ。

『取り込むのがダメなら、ぶち壊すまでよ…!』

 死の記憶の拳が押さえつけた茨の上から、刀身に勢いよく拳を叩き込んだ。バキン、という音を立て刀身が弾けて割れる。

ア「なッ……なにィ───!!?」

 アヌビス神の顔に焦りの表情が浮かんだ。

ア「おっ、折られるッ!」

 ジョジョ程の速さも強さもないが、鉄にヒビを入れる力は死の記憶にも存在していたらしい。何度も殴れば、バリン、バキン、と鉄の欠片が飛び散った。引っ込めようとするアヌビス神の力を、何十本もの茨が押さえつける。

ア「刀を押しているからどんどん取り折られていってしまうッ!ひっ……引っ込めなくてはッ!!」

『いいえ、逃がさない』

ア「!!」

『既に貴方の腕は私のスタンドがとらえた!!』

 操られたポルナレフの腕をギリ、と茨が締め上げる。黒い茨は建物の柱や窓枠に結びついて、更にその強度を上げていく。



『貴方の武勇伝もここまでよ…!』

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神奈(プロフ) - つまらない作品ですが、見て下さりありがとうございます!同じことを言いますが、更新頑張ってください( ^ω^ ) (2019年4月24日 22時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 神奈さん» 神奈さんの素敵なコメントに最高に「ハイ!」ってやつだアアアア!!! 改めまして、励みになるコメントありがとうございました!神奈さんの作品も、また拝見させていただきますね!これからも楽しんで読んでいただけるよう努力してまいります!よろしくお願いします! (2019年4月24日 22時) (レス) id: 21e67a9066 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - 今起こった事をありのままに話すぜ…私はついさっき1話を見たばっかだっただが、気付いたら【stronger】まで読んでいた…何を言ってるか分からねーと思うが、私にも分からなかった……まぁ、短く言って面白かったです!頑張ってください! (2019年4月24日 2時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - (名前)さん» (名前)さん、ありがとうございます!楽しんで頂けたようで幸いですヾ(●´∇`●)ノこれからも更新していきますので何卒よろしくお願いします! (2019年1月20日 22時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 気づいたら1話からここまで読んでいた.......!続きが楽しみです! (2019年1月20日 5時) (レス) id: d9386c92f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りと | 作成日時:2018年11月2日 0時

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