【探索】 ページ40
『…』
目を閉じ、茨の一本一本に意識を集中させる。ふう、と息をつくと黒い薔薇の茨が、群衆の中を伸び始めた。人の喧騒、足音…町の音や映像が全てが脳に流れ込んでくる感覚に吐き気を感じながらも、私はとにかくポルナレフを探した。
(人の群れの中にはいない…)
ズル…と黒い茨を戻し、また方向を変える。
(もう港は抜けた…?)
花京院ほどの距離は無理だが、伸ばせるところまで茨を伸ばした。
『…あ』
港町を抜けたすぐの所をポルナレフが通り抜けたのが『視え』た。
『いました…!』
死の記憶を戻し、私は大きく息を吐いた。
ジ「すまんな、無理をさせたか?」
余程顔色が悪かったのか、ジョースターさんが申し訳なさそうにこちらを見た。いえ、と首を横に振り、私はポルナレフが向かったであろう方向を指さした。
『…あの方角に行くところまでは追えたのですが、それ以上は範囲が…』
ジ「わかった。ありがとう、A」
ジョースターさんの言葉に微笑む。まだ喧騒が耳に残っているようでざわざわとしているが、吐き気はもう無くなっている。
『早く追いましょう。大事に至ることは無いと思いますが…』
ジ「おい、ポルナレフ!そこにいたのか!」
港から少し離れた砂丘の上の廃墟で、ポルナレフは蹲っていた。
ジ「1人でいなくなるから心配したぞ……敵に襲われたらどうする?」
ジョースターさんの声にハッとした様子でポルナレフは立ち上がった。が、すぐに額を抑えてふらつく。
『ポルナレフ、どうかした?』
ポ「え?……あ…ああ。Aか……」
やはりどこかボーッとしているようで、ちょっと虚ろな目がこちらを見上げる。
ジ「ポルナレフ、蹲ってどうした?ウンコでも踏んだか?」
冗談を言うジョースターさんの横から、ちらりとポルナレフの様子を伺った。何か妙なものでも嗅がされたか、打たれたかしたのかもしれない。いつものポルナレフとは様子が違う。
『…!』
角度で見えていなかったが、ポルナレフの肩の辺りに傷があるのが見えた。
『ポルナレフ、その傷は…?』
ア「それに…刀を持ってるな。何かあったのか?」
私達の言葉にポルナレフはまだぼーっとするらしい頭を上げた。
ポ「ああ…たった今くそったれの敵に襲われたのさ……」
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神奈(プロフ) - つまらない作品ですが、見て下さりありがとうございます!同じことを言いますが、更新頑張ってください( ^ω^ ) (2019年4月24日 22時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 神奈さん» 神奈さんの素敵なコメントに最高に「ハイ!」ってやつだアアアア!!! 改めまして、励みになるコメントありがとうございました!神奈さんの作品も、また拝見させていただきますね!これからも楽しんで読んでいただけるよう努力してまいります!よろしくお願いします! (2019年4月24日 22時) (レス) id: 21e67a9066 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - 今起こった事をありのままに話すぜ…私はついさっき1話を見たばっかだっただが、気付いたら【stronger】まで読んでいた…何を言ってるか分からねーと思うが、私にも分からなかった……まぁ、短く言って面白かったです!頑張ってください! (2019年4月24日 2時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - (名前)さん» (名前)さん、ありがとうございます!楽しんで頂けたようで幸いですヾ(●´∇`●)ノこれからも更新していきますので何卒よろしくお願いします! (2019年1月20日 22時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 気づいたら1話からここまで読んでいた.......!続きが楽しみです! (2019年1月20日 5時) (レス) id: d9386c92f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りと | 作成日時:2018年11月2日 0時