【先へ】 ページ38
病室から出て、病院のホールに向かうとジョジョはすでにホールで待ってくれていた。
『…典…花京院は意識が戻ってるわ。容体はまだ聞いていないみたい』
そうか、と一言呟いて、ジョジョは静かに廊下の奥を見やった。ポルナレフとジョースターさんがこちらに歩いてきている。その後ろからアブドゥルさんもついて来ていた。
『アブドゥルさん！』
ア「Aは花京院のところに行っていたんだな」
『ええ、少し心配で。でも、きっと大丈夫です。よね、ジョースターさん？』
ジ「ああ。今、医者から話を聞いてきたが視力には問題はないだろう…とのことだ。数日中に良くなる、と言っていた」
『！』
ふわっと胸の中に温かいものを感じた。なぜだか安堵している自分がいた。
『花京院には…』
ポ「あれ？お前、さっきまでノリアキって呼んでなかったっけ？」
ポルナレフの言葉に一瞬返答に詰まった。
『べ、つに…そうだったかしら？』
ポ「なんだよォ、ごまかすのが下手な女だぜ〜！」
『ンもう！からかわないで！！ポルナレフの気のせいよ！』
私はそう言って、病室に向かう廊下を足早に進み始めた。
ジョースターさんから「数日中に視力が戻る」と聞いて、典明の顔は目に見えて明るくなった。
花「そうですか…」
ほっとしたような表情に、どうやら彼は目が見えない事への不安とは別の不安を抱えていたらしいことに気が付く。
花「ぼくが中学生の頃、同級生が野球ボールで眼球をくしゃくしゃになるまで潰されたが、翌日には治っていたよ。眼球の中の水分が出ただけらしいんだ…きっと僕もすぐに目が見えるようになる」
どこか安心させるような語り口に、典明が落ち着いてきていることを理解した。これなら病院の看護師の彼への印象も変わるだろう。
『…旅はどうするの？続けるつもり？』
私の問いに、花京院は一瞬驚いたように言葉を止めた。が、すぐに力強く微笑んだ。
花「数日したら包帯が取れる…。すぐに君たちの後を追うよ…」
典明の言葉に喜びを感じる反面、どこか不安に思う自分がいた。少し前に見たあの都会の夜の夢のせいだろう。ひどく生々しく、今でも細部まで覚えているあの不気味な夢で、典明は死んでいた。もし、あれが正夢になってしまったらと思うと、胸の内に不安が広がる。
が、私は何も言わなかった。
夢は、夢でしかない。
花「DIOのいるカイロまであと8000�丗�らず。みんな用心して旅を続けてくれ…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神奈(プロフ) - つまらない作品ですが、見て下さりありがとうございます！同じことを言いますが、更新頑張ってください( ^ω^ ) (2019年4月24日 22時) (
レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 神奈さん» 神奈さんの素敵なコメントに最高に「ハイ！」ってやつだアアアア！！！ 改めまして、励みになるコメントありがとうございました！神奈さんの作品も、また拝見させていただきますね！これからも楽しんで読んでいただけるよう努力してまいります！よろしくお願いします！ (2019年4月24日 22時) (レス) id: 21e67a9066 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - 今起こった事をありのままに話すぜ…私はついさっき1話を見たばっかだっただが、気付いたら【stronger】まで読んでいた…何を言ってるか分からねーと思うが、私にも分からなかった……まぁ、短く言って面白かったです！頑張ってください！ (2019年4月24日 2時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - (名前)さん» (名前)さん、ありがとうございます！楽しんで頂けたようで幸いですヾ(●´∇｀●)ﾉこれからも更新していきますので何卒よろしくお願いします！ (2019年1月20日 22時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 気づいたら1話からここまで読んでいた.......！続きが楽しみです！ (2019年1月20日 5時) (レス) id: d9386c92f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りと | 作成日時：2018年11月2日 0時
