【笑顔】 ページ36
イギーを追ってからしばらくした後、私とジョジョはジョースターさん達と別れて先に典明たちのいる病院に向かっていた。
『…。』
承「…。」
互いに会話はない。ジョジョは寡黙な男だし、私はジョジョと話すような話題を持ち合わせていない。そもそも、ジョジョが好きなものを、ほとんど知らない。
『…。』
盗み見るように私はジョジョを見た。
(やっぱり、すごく端整な顔をしている人なのね…)
すっと通った鼻筋、南の海のようなグリーンの瞳、どことなくミステリアスな整った顔立ち。日本でクラスメイトの女の子たちにきゃあきゃあと黄色い声をあげられていたことも納得な顔立ちだ。
それに、と『隣に並んで歩いている』ジョジョの足元に視線を落とす。
(見かけよりずっと優しい人)
私よりずっと歩幅が大きなはずなのに、彼は私の隣にいた。歩く速さを合わせてくれているらしい。
『…あ』
ふと顔を上げたとき、バチリとジョジョと目があった。惹きつけられる強い光をもった目だ。
承「何か用か?」
『あ…いえ、違うの。話すこともなかったし…』
承「…。」
ジョジョはじっと私を見つめる。なんだかちらちらと顔を見ていた私が恥ずかしくなってきた。
『…ごめんなさい、気分を害したかしら?』
承「…いや」
短くそう言ってジョジョは軽く首を振った。
承「何か…話した方が良かったか?」
『え…!あ、いや…違うわ。そういうわけじゃ…』
思わず口ごもる私にジョジョがふっと頬を緩める。
承「お前、顔に出やすいタイプなんだよな」
クックック…と笑って、ジョジョは私から顔を背けた。
『ちょ、笑わないでよ…!』
ジョジョは相変わらずクククと笑っている。やはり顔に出ているのだろうか。
『ジョジョには…隠し事ができそうにないわ』
承「無理だな」
ジョジョはそう言うと、また笑った。
珍しくジョジョがよく笑っている。今までかなり一緒に過ごしているはずだけど、こんなにジョジョと長く何でもない会話が続いたのは初めてかもしれない。
承「…珍しく笑ってる、とでも思ってんのか」
『!』
「図星か」とジョジョはまた小さく笑っていた。
(そんなに顔に出ているのかしら、私…?それとも、ジョジョの観察眼が優れ過ぎているだけ…?)
小さく呻きながら、私はちょっと熱い頬に手を当てた。
『あ…病院!』
私は自分でもわかるくらいわざとらしく大声をあげて、前の大きな建物を指さした。
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神奈(プロフ) - つまらない作品ですが、見て下さりありがとうございます!同じことを言いますが、更新頑張ってください( ^ω^ ) (2019年4月24日 22時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 神奈さん» 神奈さんの素敵なコメントに最高に「ハイ!」ってやつだアアアア!!! 改めまして、励みになるコメントありがとうございました!神奈さんの作品も、また拝見させていただきますね!これからも楽しんで読んでいただけるよう努力してまいります!よろしくお願いします! (2019年4月24日 22時) (レス) id: 21e67a9066 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - 今起こった事をありのままに話すぜ…私はついさっき1話を見たばっかだっただが、気付いたら【stronger】まで読んでいた…何を言ってるか分からねーと思うが、私にも分からなかった……まぁ、短く言って面白かったです!頑張ってください! (2019年4月24日 2時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - (名前)さん» (名前)さん、ありがとうございます!楽しんで頂けたようで幸いですヾ(●´∇`●)ノこれからも更新していきますので何卒よろしくお願いします! (2019年1月20日 22時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 気づいたら1話からここまで読んでいた.......!続きが楽しみです! (2019年1月20日 5時) (レス) id: d9386c92f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りと | 作成日時:2018年11月2日 0時