【謎】 ページ31
『─そう、だったの』
車を修理した私達は、エンジン音を聞いて数分待った後、スタンドが現れないことを確認して、車を走らせた。ジョジョとイギーは数キロ離れたところで、私達を待っていた。ジョジョの背後には、杖が刺さった砂の山があった。それは、敵スタンド使い・ンドゥールの墓らしい。
後ろの席で気を失っている2人を挟んで、私はジョジョから相手の本体がどのような人間だったかを聞いた。
(ンドゥール…あれ程までのスタンド使いが心酔し、口を割らないために自らの命すら差し出してしまうほどの男。それが、DIO…)
『悪には悪の救世主が必要なんだよ』と言った彼の心の内は彼自身が自ら命を絶った今ではわからなくなってしまった。だが、彼がDIOをカリスマとして敬愛していた事はよくわかった。
(それほどまでに人を心酔させてしまう魔力が、あの男にはあるんだわ…)
夢の中で見たDIOの姿は、確かに美しくもあり、恐ろしい。私にかける声はビロードのように滑らかで、砂糖菓子のように甘くありながら、有無を言わさぬ威圧感がある。その奇妙な対比を両立させてしまう、人を越えた者の持つほの暗い魅力は、人を引き寄せてしまうものなのだろう。
その時、私はふと気になることを思い出した。
『ねぇ…ジョジョ、少し聞いても？』
承「？」
『…最近、DIOに見られた感覚はある？』
承「…？いや…」
ジョジョは少し首を傾げたあと、「無いな」と首を横に振った。
(私だけを…視ているのかしら)
初めて肉の芽を通してDIOを見た時から、DIOの意識が私に干渉してくることは何度かあった。
(DIOはなぜ…)
黄の節制も言っていたが、DIOは私になにか特別な感情を持っているが故に、私の生け捕りを望んでいるという。
(私にそのような感情を…？)
砂漠の広がる景色を見つめる。答えは、分からない。
ジ「ようやく内陸に近づいてきたな」
ジョースターさんの言葉に、思索から現実に戻る。地図を見せてもらうと、ちょうど北回帰線を通過するあたりまで来ているらしかった。
『この調子なら…日が暮れるより先にアスワンに辿り着けそうですね』
地図上を指さす私の言葉にジョースターさんが頷いた。
ジ「早くこいつらを病院に連れて行ってやらなくてはな…」
ジョースターさんの言葉に、みんなが小さく頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神奈(プロフ) - つまらない作品ですが、見て下さりありがとうございます！同じことを言いますが、更新頑張ってください( ^ω^ ) (2019年4月24日 22時) (
レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 神奈さん» 神奈さんの素敵なコメントに最高に「ハイ！」ってやつだアアアア！！！ 改めまして、励みになるコメントありがとうございました！神奈さんの作品も、また拝見させていただきますね！これからも楽しんで読んでいただけるよう努力してまいります！よろしくお願いします！ (2019年4月24日 22時) (レス) id: 21e67a9066 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - 今起こった事をありのままに話すぜ…私はついさっき1話を見たばっかだっただが、気付いたら【stronger】まで読んでいた…何を言ってるか分からねーと思うが、私にも分からなかった……まぁ、短く言って面白かったです！頑張ってください！ (2019年4月24日 2時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - (名前)さん» (名前)さん、ありがとうございます！楽しんで頂けたようで幸いですヾ(●´∇｀●)ﾉこれからも更新していきますので何卒よろしくお願いします！ (2019年1月20日 22時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 気づいたら1話からここまで読んでいた.......！続きが楽しみです！ (2019年1月20日 5時) (レス) id: d9386c92f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りと | 作成日時：2018年11月2日 0時
