memento mori 5【ジョジョの奇妙な冒険】

【行動の意味】 ページ28

ジ「バ…馬鹿なことをッ！承太郎が走り出した…な、なんて事をッ…！」

　ジョースターさんの顔がサッと青ざめた。

(だけど…いずれにせよ、走り出した以上は「止まれない」わ。止まったその時、ジョジョは「死ぬ」！それに…)

　走り出したジョジョの背中を見つめる。

(彼は決して無意味な行動を取るような男じゃあない…！)

　アヴドゥルさんに爪を立てようとしていた「水のスタンド」が困惑したように動いた。突然走り出したジョジョに少なからず動揺しているらしい。
　が、すぐにまた砂の中に潜り込んだ。どうやらジョジョを追い始めたようだ。

(だけど、これじゃ直ぐに追いつかれるわ…！)

　ジョジョが走るスピードが遅い訳では無いが、猛スピードで追撃してくるスタンドにはどうしても速さが劣る。

(どうするつもりなの、ジョジョ…！)

　ジョジョは迷う様子もなく真っ直ぐに走っていく。その走る先には「イギー」がいた。

(イギー…？)

　気持ちよさそうに昼寝をしていたイギーに真っ直ぐにジョジョは走っていく。と、ジョジョがイギーに手を伸ばし、首根っこを捕まえた。

『あ…！』

ポ「なんだ、どうした！？」

『そうよ、イギーだわ！』

　ジョジョの行動の意味が、分かった。

ポ「あァ！？なんだ！？なんであの犬なんだ！？」

『思い出してよ、私達があのスタンドに攻撃されるまでのイギーの行動を！』

　イギーを掴んだジョジョの行動は、間違いなく正しい。

ポ「イギーの…行動だと…？」

　典明を引き上げるとき、私は後部座席を登った。しかし、その時にイギーの姿は見えなかった。

『彼、私たちが攻撃される前に車から逃げ出していたわ！恐らく、彼は「匂い」で相手スタンドの位置を割り出していたのよ！』

　イギーはスタンド使いである以前に「犬｣だ。犬の嗅覚は言うまでもなく人間より遥かに優れている。だとしたら、多少「血の匂い」のついた水をかぎわけることくらいなんてことは無いはずだ。

ジ「ああ！」

　不意にジョースターさんが大声を上げた。ジョジョを見ると、何故か足を止めている。

ジ「立ち止まるな、承太郎！走れ！！何をしている！？」

　イギーを押さえつけていたジョジョの下でイギーが甲高く吠えた。と同時に、愚者が姿を現す。

『なッ…』

　イギーを掴んだ愚者が、いきなり羽を広げた。唖然とする私たちの前で、愚者はイギーもろとも宙に浮いた。



『彼、空も飛べるの…！？』

【好転】→←【打開策】

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