【墜落したヘリ】 ページ20
目の前には煙を上げて横倒しになっているヘリコプターがあった。
『そんな…』
ヘリのフロントガラスの上には「SPEED WAGON」の文字が描かれている。
ジ「ヘリコプターだ……!」
ジョースターさんが呻くようにそう言うと、ドアを開けて砂漠に飛び出した。
承「これは…」
普段は冷静沈着なジョジョも、この光景にはさすがに目を丸くしている。私も車から降りて、落ちているヘリをじっと見つめた。
ジ「飛び去ったスピードワゴン財団のヘリコプターが砂に埋まってるぞッ!!」
ヘリのフロントガラスは割れ、プロペラのモーターのあたりからは白い煙が上がっている。だが、銃弾の跡や爆発の跡は見当たらなかった。
ア「兵器による攻撃のあとはない…」
花「なんかそのままドスンと落ちた感じだ…」
ポ「ま…まさかッ!」
ジ「気を付けろッ!敵スタンドの可能性が大きい!!」
ポルナレフの言葉を継ぐようにジョースターさんが叫んだ。その言葉に全員があたりを見回す。
承「見ろ、パイロットだ」
ジョジョの声にハッとヘリの機体の影を見た。脱出しようとしてヘリの中から這い出たように、男があおむけで倒れている。しかし、その男はもう息をしていないことは遠目から見てもわかった。
『…死んで、るわ…』
承「…見ろ、指で機体をかきむしったあとがある」
あおむけになった男の手は機体に張り付いていた。硬いヘリの装甲に傷が入るほど強く、爪がはがれ手に血がにじむほど強く、男は機体をひっかていたらしい。
(とても苦しい死に方をしたのね…)
目を背けることもできず、私はただ茫然とその痛ましい死体を見つめていた。
ジ「用心して近づけ、何か潜んでいるかもしれん…」
ジョースターさんはそう言うと、私達に軽く目線を送ると足を前に踏み出した。それに続いて、私たちもおずおずと落ちたヘリのそばに近づく。いよいよ死体が良く見えるあたりまで近づくと、遠目から見てもすさまじかった男の形相は鬼気迫るようだった。恐怖と苦しみでゆがんだ顔は、さっきまで談笑していた男の顔とはとても思えない。
『う…』
思わず目線をそらしかけたその時、男の大きく開いた口の中が『光った』ように見えた。
(…!?なんだ、これはッ…!!?)
思わず言葉が詰まる。死体に歩み寄ったジョジョも同じように戸惑う表情が浮かんでいた。
承「…水だ」
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神奈(プロフ) - つまらない作品ですが、見て下さりありがとうございます!同じことを言いますが、更新頑張ってください( ^ω^ ) (2019年4月24日 22時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 神奈さん» 神奈さんの素敵なコメントに最高に「ハイ!」ってやつだアアアア!!! 改めまして、励みになるコメントありがとうございました!神奈さんの作品も、また拝見させていただきますね!これからも楽しんで読んでいただけるよう努力してまいります!よろしくお願いします! (2019年4月24日 22時) (レス) id: 21e67a9066 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - 今起こった事をありのままに話すぜ…私はついさっき1話を見たばっかだっただが、気付いたら【stronger】まで読んでいた…何を言ってるか分からねーと思うが、私にも分からなかった……まぁ、短く言って面白かったです!頑張ってください! (2019年4月24日 2時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - (名前)さん» (名前)さん、ありがとうございます!楽しんで頂けたようで幸いですヾ(●´∇`●)ノこれからも更新していきますので何卒よろしくお願いします! (2019年1月20日 22時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 気づいたら1話からここまで読んでいた.......!続きが楽しみです! (2019年1月20日 5時) (レス) id: d9386c92f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りと | 作成日時:2018年11月2日 0時