【残り時間】 ページ17
イギーとの邂逅から数十分後、ヘリはまたプロペラを回し始めた。
「Mr.ジョースター、それでは我々はこれで帰ります」
財団からやって来た人の1人がそう言って、ヘリの中からいくつかの荷物を降ろしてこちらを見た。
「これは旅に必要な水や食料品です。医薬品や着替えも入っています」
渡された荷物を見れば、この砂漠で役に立ちそうなものばかりだ。切らしかけていた包帯や消毒液も十分に入っている。
(…ありがたい話よね)
潜水艦の中に荷物をほとんど置いてきたせいで、今の私達には手持ちがなかった。そのことをジョースターさんはあらかじめ伝えておいてくれたらしい。
ジ「……旅立つ前に尋ねたい」
荷物を確認したジョースターさんがそう言って、不安げな目で財団の人達を見つめた。
ジ「わしの娘のことだが……」
ジョースターさんの問いに、全員が押し黙る。今この瞬間もホリィさんがスタンドの副作用で苦しんでいると思うと、どうにもいたたまれない気持ちになった。
「……」
財団の人は言いにくそうな顔をして口篭る。
ジ「ホリィの容体はどうだ?ハッキリ言ってくれたまえ……」
「……はい」
何とも弱々しい声に、私はそっと目を伏せた。
「あまり良いとはいえません。……体力の消耗が激しく、命は依然危険です……我々スピードワゴン財団の医師の診断では…」
『…』
「…もって、あと2週間」
背中に冷たいものが流れた。
花「時間が無い…!」
ポ「…チクショウ!」
元々時間のない旅だとはわかっていたが、あまりにも時間が足りなさすぎる。これから新たに差し向けられるであろう刺客を倒し、DIOの居場所を突き止めなければならない。それなのに、残りが多くてあと2週間しかない。どう考えても、かなり厳しいスケジュールだ。
(それに……)
チラリとジョジョの方を見た。帽子で陰になっていて表情はよく分からないが、強く握られた拳が震えている。
(このことがジョジョに堪えないわけがない…)
DIOとの決戦を前にジョジョが脱落することとなれば、私達の勝ちは絶望的になる。ジョジョがいても勝率が低い戦いなのだから、そんな事は避けたい。
(だけど、私には…かける言葉が見つからないわ……)
重苦しくなり始めた雰囲気に、気が滅入りそうになった時だった。
「それと、ひとつ情報があります」
「2日前、謎の9人の男女がDIOの潜伏しているらしい建物に集まって、そして何処かに旅立ったということです」
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神奈(プロフ) - つまらない作品ですが、見て下さりありがとうございます!同じことを言いますが、更新頑張ってください( ^ω^ ) (2019年4月24日 22時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 神奈さん» 神奈さんの素敵なコメントに最高に「ハイ!」ってやつだアアアア!!! 改めまして、励みになるコメントありがとうございました!神奈さんの作品も、また拝見させていただきますね!これからも楽しんで読んでいただけるよう努力してまいります!よろしくお願いします! (2019年4月24日 22時) (レス) id: 21e67a9066 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - 今起こった事をありのままに話すぜ…私はついさっき1話を見たばっかだっただが、気付いたら【stronger】まで読んでいた…何を言ってるか分からねーと思うが、私にも分からなかった……まぁ、短く言って面白かったです!頑張ってください! (2019年4月24日 2時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - (名前)さん» (名前)さん、ありがとうございます!楽しんで頂けたようで幸いですヾ(●´∇`●)ノこれからも更新していきますので何卒よろしくお願いします! (2019年1月20日 22時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 気づいたら1話からここまで読んでいた.......!続きが楽しみです! (2019年1月20日 5時) (レス) id: d9386c92f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りと | 作成日時:2018年11月2日 0時