【不吉な夢】 ページ11
私は都会の町の屋上にいた。少し肌寒く、空気は砂交じりで乾いている。
(…ここは…？)
電飾が輝く夜の街の繁華街の建物の上を、私は死の記憶を使って走り回っているらしい。それを、私は遠くで見つめている。
『典明！！！』
夢の中の私が悲鳴をあげた。はっと顔をあげると、無数の緑の糸がキラキラと輝きながら落ちてくるところだった。
(
ばらばらに引きちぎられたそれに目を見開いていると、近くの時計台から大きな音が聞こえた。そちらに顔を向けると、がらがらと崩れ落ちる瓦礫と砂埃が見える。その砂埃の向こうに見慣れた緑色が見えた。
『！！』
悲鳴をあげ、私は時計台に向かって飛んだ。崩れ落ちた瓦礫のそばによると、真っ赤な液体が足元に水たまりを作っている。
(血…！！)
はっと顔をあげようとした私の肩に、冷たい手が触れた。
「A、そこにいたか」
自分の悲鳴で目が醒めた瞬間、私は半ば反射的に体を起こしていた。ゼェゼェと息をして、体には汗をかいている。
『ゆ…夢ッ…！？』
私は大きく息を吐き、両手を顔で覆った。ひどい気分だ。何度か深呼吸をする間も、バラバラになった法皇の緑の鮮やかなエメラルドグリーンや赤い血だまりが頭をよぎる。
(生々しすぎる…)
まるで現実で起きた事のようで、気味が悪い。それに最後に見た瞳は、夢の中ではあったけれど確かに視られたという感覚があった。
(DIOが視たのね…)
旅の途中何度かDIOが私を視ている感覚はあった。今回もそれだろう、と私ははやる心臓を押さえつけようと深呼吸をした。大きく息を吐いた時、誰かがドアをたたいた。
「A、大丈夫か！！」
花京院の声だった。私はほっと息を吐くと、軽く寝癖を手櫛で直してドアを開けた。心配そうな花京院と目が合う。
花「大丈夫かい？何かあったのか？」
『いいえ…大丈夫、ちょっと不吉な夢をみただけよ』
夢、という単語に苦い顔をする花京院に私は少し微笑んだ。最近、悪夢にうなされていた時期があったからだろう。
『本当に大丈夫よ。それに、夢は夢じゃない』
花「そう、だといいんだが…とりあえず、何もないならよかった」
部屋に戻っていく彼の背を見送って、私はため息をついた。
(…花京院が死ぬ夢なんて…)
随分と嫌な夢だった。
『…疲れちゃってるのかしら。』
私は軽く横に首を振ると、悪夢のことを頭の隅へと追いやった。
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神奈(プロフ) - つまらない作品ですが、見て下さりありがとうございます！同じことを言いますが、更新頑張ってください( ^ω^ ) (2019年4月24日 22時) (
レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 神奈さん» 神奈さんの素敵なコメントに最高に「ハイ！」ってやつだアアアア！！！ 改めまして、励みになるコメントありがとうございました！神奈さんの作品も、また拝見させていただきますね！これからも楽しんで読んでいただけるよう努力してまいります！よろしくお願いします！ (2019年4月24日 22時) (レス) id: 21e67a9066 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - 今起こった事をありのままに話すぜ…私はついさっき1話を見たばっかだっただが、気付いたら【stronger】まで読んでいた…何を言ってるか分からねーと思うが、私にも分からなかった……まぁ、短く言って面白かったです！頑張ってください！ (2019年4月24日 2時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - (名前)さん» (名前)さん、ありがとうございます！楽しんで頂けたようで幸いですヾ(●´∇｀●)ﾉこれからも更新していきますので何卒よろしくお願いします！ (2019年1月20日 22時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 気づいたら1話からここまで読んでいた.......！続きが楽しみです！ (2019年1月20日 5時) (レス) id: d9386c92f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2018年11月2日 0時
