love the way you lie【DIO】 ページ7
これでいいの。
「どうした、"愛しい"A？｣
見つめていたことがバレてしまったらしい。首を横に振ると、貴方はそうかと微笑む。その微笑みは、同じ人の形をしていても、まるで違うと思わされるほどに美しい。
(ああ、なんてお美しい方…)
神様というのは、きっとこんな姿をしている。そう思うほどに美しく尊い方が、私のことを"愛しい"Aと呼んでくれている。
「もう耳には入っているだろう？」
不意に言われた言葉に、私は頷いた。
「ジョースター一行のことですね？」
「"愛しい"A…お前なら始末してくれるな？」
そっと膝をつき、頭を垂れる。
「貴方様のためなら」
頭ではわかっている。今まで送り込んだ刺客ですら勝てなかった。それほどの相手に私なんかでは勝てるわけがない。そうと分かっているのに、私は抗えなかった。
「信じているぞ、"愛しい"A」
だって、貴方に"愛しい"Aと呼ばれたら、私は何だってしてしまう。
(…死ぬんだろうな)
勝てなかった。当然の結果だ。ついに歩く力も失って、私はその場で座り込んだ。
(ああ…)
ぼたぼたと口から落ちる赤が床を汚す。もう、歩けない。そう思ったとき、誰かの足音が近づいてきた。
「…ああ、ひどい姿になったな」
DIO様、そう呟いたつもりだったが、言葉が溢れるよりも先に口から血が溢れる。ぼたぼたと落ちた血を見て、DIO様は目をすがめた。
「可哀想に…苦しいだろう？」
そうは言うものの、その目は驚く程に冷たい目をしている。期待外れを詰る目だ。
(…分かってた)
初めから全部わかっていた。私を操るのに都合が良かったから、私を愛おしむ素振りを見せただけ。本当は、都合の良い駒くらいのつもりだったことくらい。
(仕方ないことだって…)
私が好きだったのはきっと『彼のつく嘘』だった。
「可哀想に…」
そっとDIO様の手が私の頬に触れる。体温を奪われていくような錯覚に陥りながらも、それが嬉しかった。無様にひゅうひゅうと喘ぐ私を見ても、DIO様の表情はさほど変わらない。
「苦しいだろう…辛いだろう…？」
ついに体に力が入らなくなった。崩れ落ちる私を受け止めるわけでもなく、DIO様は見下ろしている。その目には愛情なんてかけらもない。でも、それを辛いとは思わない。
貴方の目が私に向いていれば、それで十分。
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りと(プロフ) - 時雨さん» 時雨さん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(≧▽≦)あ、ばれてしまいましたか？実は、ジョジョをきっかけに洋楽沼にもどっぷりはまってしまいました（笑） (2022年2月2日 2時) (
レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 突然のコメント失礼します！どのお話も素敵でついつい一気見しちゃいました…(o^^o)あと…作者様、もしかして洋楽お好きですか！？(*ﾟ▽ﾟ*) (2022年1月30日 16時) (レス) id: 71fef2bd30 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - プンプンするさん» はじめまして、コメントありがとうございます(^^♪ そう言ってもらって嬉しいですm(_ _)m (2017年9月11日 1時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
プンプンする - 最高です！ SPW可愛い…！ (2017年9月10日 20時) (レス) id: 5cff2a66ee (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - りんりん?^?ω?^?さん» りんりんさん、リクエストありがとうございます！承りました(*ﾟ▽ﾟ)ﾉこちらではお話がいっぱいなので、続編の方で書かせていただきます(^^)お手数ですが、続編の方をチェックしていただければ嬉しいです〜 (2016年10月31日 0時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2015年11月13日 0時
