sick【空条承太郎】 （リクエスト） ページ6
珍しいこともあるものだ。
「あれ、空条くんか」
「…おい、承太郎でいいといつも…っくし！」
「珍しいね、君がマスクをするなんて」
くしゃみが止まらん、と不機嫌そうな彼を見上げた。190cmはあるだろうという背の高さのせいで威圧感がある彼だが、不思議と怖くはない。それほど彼に慣れたという事だろうか。
「風邪をひいたの？随分つらそうだね」
違う、と言うが、その声はしゃがれている。それに、顔色も心なしか悪い。
「帰った方がいいよ。今日は観察だけだよね？代わりにやっとくから」
「気にするな、どうってことねぇ」
一際大きなくしゃみをして、彼は自分の水槽の方へ行ってしまった。
とりあえずは出来上がった草稿に目を通し、ひとつ息をついた。切っていた携帯の電源を入れると、知り合いからの電話の通知があった。かけ直すと、2コール程で聞き慣れた声が答えた。
「もしもし。どうした、花京院くん？」
「…ああ、その、承太郎が倒れたんだ。とりあえず、家までは運んだけど…」
「歯切れが悪いね、何かあった？」
「実は、この後外せない予定があるんだ。だが、この状態の承太郎を置いていくのも…と思ってね」
「それなら私が行くよ。教授から渡すものも預かってるから」
電話越しの花京院がほっと息をついた。
「今日、デートだったっけ？」
「…ばれてたか」
「そりゃ外せないことだね。楽しんで」
そう言って電話をきると、大学を少し早足で出た。
看病を引き継いだ私は、とりあえず空条くんの様子を見てみることにした。
「空条くん」
顔を覗き込んで名前を呼んでみる。
「…A？」
うっすらと目を開ける彼が、ちょっと色っぽく見える。顔がいいとは思っていたが、思っていた以上だなと苦笑する。
「俺は…」
「倒れた。花京院くんが運んでくれた」
空腹かと聞くと頷くので、適当にお粥でも作るかと立ち上がろうとした。が、立ち上がれなかった。
「…A｣
熱を帯びた手が私の手を掴んでいた。
「行くな」
驚いて振り返る。熱のせいで潤んだ目が、私を見つめていた。
「行くな、どこにも」
不意に腕をひかれてバランスを崩した私の体は、彼の胸の上に倒れた。
「ここにいてくれ」
「…っ、どうしたの？しっかりしなよ」
きっと熱に浮かされているのだ。そう思った瞬間、彼の大きな手が私の頬をなでた。そこがじわりと熱いのは、彼の手のせいだけじゃ無さそうだ。
「…好きだ、A」
love the way you lie【DIO】→←it makes me ill【ディオ･ブランドー】
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りと(プロフ) - 時雨さん» 時雨さん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(≧▽≦)あ、ばれてしまいましたか？実は、ジョジョをきっかけに洋楽沼にもどっぷりはまってしまいました（笑） (2022年2月2日 2時) (
レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 突然のコメント失礼します！どのお話も素敵でついつい一気見しちゃいました…(o^^o)あと…作者様、もしかして洋楽お好きですか！？(*ﾟ▽ﾟ*) (2022年1月30日 16時) (レス) id: 71fef2bd30 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - プンプンするさん» はじめまして、コメントありがとうございます(^^♪ そう言ってもらって嬉しいですm(_ _)m (2017年9月11日 1時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
プンプンする - 最高です！ SPW可愛い…！ (2017年9月10日 20時) (レス) id: 5cff2a66ee (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - りんりん?^?ω?^?さん» りんりんさん、リクエストありがとうございます！承りました(*ﾟ▽ﾟ)ﾉこちらではお話がいっぱいなので、続編の方で書かせていただきます(^^)お手数ですが、続編の方をチェックしていただければ嬉しいです〜 (2016年10月31日 0時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2015年11月13日 0時
