今日も、今日こそは【間田敏和】リクエスト・ゆうさん ページ45
今日もダメだった。
「いらっしゃいませ〜……あれ？｣
俺は恋をした。相手はいつも漫画を買いに行く書店の店員さん。彼女のいる書店はチェーン店ではなく、個人商店でこの間店主が倒れらしく、代わりに娘の彼女が代理を務めているらしい。同じ高校の制服を着ているけど、残念ながら校内で見かけたことは1度も無かった。
「また来てくれたの？｣
「…え、ええ｣
「ふふ、ありがとう。新刊、入ってるよ｣
彼女はふわりと微笑んで、そっと奥の棚を指さす。
「それじゃ、ごゆっくり｣
彼女は多分知らない。いつも読んでる漫画の新刊を俺はもう持ってること。そして、彼女の姿目当てで週に１回は必ずここに来ていること。俺は軽く会釈をして、大人しく新刊のあるという棚に向かった。
(今日もダメだったか)
もう何度も読み返した新刊を読みながら、俺はため息をつく。
(あの人の名前…聞けなかったな)
俺は財布を忘れたフリをして、そのまま店を出た。ちらりと振り返ると、カウンターで本を読むあの人の横顔が見えた。綺麗だと思った。
「…今日こそは！｣
店の前で気合を入れて、俺は背筋を伸ばした。格好よく見えてくれ、と願いながら、いつもの本屋に入る。
「いらっしゃいませ｣
彼女がいつものように柔らかい笑顔で俺を迎えてくれる。
「ごめんなさい。今のところ、特に新刊の類は入ってないのよ｣
うちの店小さいから、そう言って微笑む彼女にいえ、と首を振る。
「その…｣
「ん？｣
彼女が不思議そうにこちらを見ていた。
「あの、あなたの…｣
彼女はフッと笑った。
「ああ！この本？｣
彼女がふわりと笑って漫画を俺に見せる。
「これ、ピンクダークの少年っていうの。周りで読んでる人は少ないんだけど、すごく面白くて好きなのよ｣
「そ、そうなんですか｣
「ふふ、良かったら読んでみて｣
それ以上会話を続けられる気がしなくて、俺はそうしますと言った後、仕方なくいつもの棚へと向かった。俺のなけなしの勇気はいつもこうしてあっけなく萎んで消える。
「はぁ…｣
ため息をついて、何となく彼女の読んでいるピンクダークの少年という漫画を開いた。その時、ひらりと紙切れが落ちた。何となくそれをつまんで、読んでみる。その文面に顔を上げ、俺は彼女を見た。彼女はこちらを見て、いたずらっぽい表情でフッと笑っている。
「いつも来てくれてありがとう。私はAといいます。あなたのお名前は？｣
声【プロシュート】 リクエスト・☆みあ☆さん→←届かない【虹村形兆】 リクエスト・ぴーちゃんさん
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りと(プロフ) - 時雨さん» 時雨さん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(≧▽≦)あ、ばれてしまいましたか？実は、ジョジョをきっかけに洋楽沼にもどっぷりはまってしまいました（笑） (2022年2月2日 2時) (
レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 突然のコメント失礼します！どのお話も素敵でついつい一気見しちゃいました…(o^^o)あと…作者様、もしかして洋楽お好きですか！？(*ﾟ▽ﾟ*) (2022年1月30日 16時) (レス) id: 71fef2bd30 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - プンプンするさん» はじめまして、コメントありがとうございます(^^♪ そう言ってもらって嬉しいですm(_ _)m (2017年9月11日 1時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
プンプンする - 最高です！ SPW可愛い…！ (2017年9月10日 20時) (レス) id: 5cff2a66ee (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - りんりん?^?ω?^?さん» りんりんさん、リクエストありがとうございます！承りました(*ﾟ▽ﾟ)ﾉこちらではお話がいっぱいなので、続編の方で書かせていただきます(^^)お手数ですが、続編の方をチェックしていただければ嬉しいです〜 (2016年10月31日 0時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2015年11月13日 0時
