君に溺れる【パンナコッタ・フーゴ】 リクエスト・りなさん ページ42
僕は君に溺れている。
「フーゴくん、お疲れ様｣
僕の前にいい香りの紅茶が置かれる。僕の好きな紅茶だ。いつも美味しくて、もう君のいれたものじゃないと飲めなくなってしまった。にこやかに笑う彼女に礼を言うと、彼女はそれよりも…と眉をひそめた。
「根を詰めすぎると体を崩しますよ｣
彼女は僕の隣にそっと腰掛ける。触れられそうな距離に僕の心臓は激しく脈打った。
「貴方、今日は二徹目でしょ？｣
ダメですよ、と少し眉間にシワを寄せる彼女が可愛くて、思わずふっと笑いが漏れた。
「何笑ってるんですか！人が心配してるのに！｣
「ごめんごめん｣
そう返事をしながらも、やはり可愛いなと思った。こんな子がギャングの一員だとは、普通なら信じられない。だけど、彼女はチームでは随一の武闘派だ。
「頑張ることは美徳ですが、やりすぎは毒です｣
「わかっているさ。大丈夫大丈夫｣
「わかっている人は二徹なんてしないの｣
ついに僕の顔を両手で挟み、僕の顔に顔を近づけると君は精一杯であろう怖い顔で僕を怒り始めた。いつもこうやって怒るんだから、とても僕の心臓は持たない。だけど、正直これが楽しみで仕事をバカみたいにたくさんこなしている…というのもある。
実は本当はこの書類はミスタやナランチャの分。僕の分なんてもうとっくに終わっているけど、君はそれを知らない。
「ちゃんと聞いている？｣
「…うん｣
君に心配されるのが嬉しくて僕はまたにやけそうになった。怒る顔も可愛いなぁ、と思った。もっと色んな表情が見たいと思った。思えば考えるのは君のことばかりだ。君と話す時、君を見た時、そうじゃない時も。シャワーを浴びてる時も、ご飯を食べてる時も、眠ろうとベッドに入った時も君のことだけ。頭の中には笑顔や泣き顔、怒った顔なんかがグルグルと回って、思い出す度に幸せな気分になれる。僕の毎日は君に彩られてるなんて言っても過言じゃない。
それほどに君のことばかり考えていることを、きっと君は知らない。僕ばかりが君に溺れている。
「もう無理しないで。ちゃんと休んでくだね？｣
「ああ、うん。わかったよ｣
そう言うと君の手がゆっくりと離れる。心なしか君が少しさみしげなのは気のせいだろうか。
(それにしても…本当に君は僕の気持ちに気づかないんだな)
そう思いながら僕は紅茶に口をつけた。
君も僕に溺れてくれればいいのに。
君のそばに【デッドマンズＱ(吉良吉影)】 リクエスト・しのさん→←ゲーム【ダービー兄弟】 リクエスト・リコさん
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りと(プロフ) - 時雨さん» 時雨さん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(≧▽≦)あ、ばれてしまいましたか？実は、ジョジョをきっかけに洋楽沼にもどっぷりはまってしまいました（笑） (2022年2月2日 2時) (
レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 突然のコメント失礼します！どのお話も素敵でついつい一気見しちゃいました…(o^^o)あと…作者様、もしかして洋楽お好きですか！？(*ﾟ▽ﾟ*) (2022年1月30日 16時) (レス) id: 71fef2bd30 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - プンプンするさん» はじめまして、コメントありがとうございます(^^♪ そう言ってもらって嬉しいですm(_ _)m (2017年9月11日 1時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
プンプンする - 最高です！ SPW可愛い…！ (2017年9月10日 20時) (レス) id: 5cff2a66ee (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - りんりん?^?ω?^?さん» りんりんさん、リクエストありがとうございます！承りました(*ﾟ▽ﾟ)ﾉこちらではお話がいっぱいなので、続編の方で書かせていただきます(^^)お手数ですが、続編の方をチェックしていただければ嬉しいです〜 (2016年10月31日 0時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2015年11月13日 0時
