もしも【東方仗助】 ページ21
遠いなぁ、と思う。
「でよォ！そこで億泰がな！！｣
楽しげに男友達と話している仗助君をさり気なく視界に入れる。見ているなんて気が付かれないように。この気持ちがバレないように。
「A！｣
友達に声をかけられてハッとする。
「もう…聞いてるの？｣
「聞いてるよ。でも、ちょっと寝不足気味で…｣
「Aさぁ…もう少しでテストなんだよ？体調管理はしっかりね｣
呆れたように笑う友達にそっと笑い返す。
「うん、ありがとう｣
「…って、あ！！しまった…先生に呼び出しくらってんだった…｣
友達は勢いよく立ち上がると走っていってしまった。慌ただしいな、とふと机に視線を落とす。
(…あれ？)
机に置いていたペンがないことに気が付いた。落としたのだろうか、とあたりを見回す。
「うおっ！？｣
不意に上がった声に顔を上げると、クラスメイトの足元で探していたペンが割れていた。
「わ、ごめん！！｣
「あ…いいよ、他のあるから｣
気に入っていたから少しショックだったが仕方が無い。壊れたそれは誕生日に友人がくれたものだった。
「…それ、貸してくれねぇ？｣
突然頭の上から聞こえてきた声に驚く。一気に心臓が高鳴る。
「それ、直せるぜ｣
ニコニコと笑う仗助君が私に手を差し出していた。
「え、でも…｣
かなりひどく割れてしまっている、そう言おうとした私の手からそっと仗助君がペンをとった。
「いーから、俺に任せてくれよ｣
そう言って仗助君が軽くペンを握った。その手に別の手が重なったように見えたのは、私の見間違いだろうか。
「可愛いじゃん、このペン｣
「え…あ、ああ、ありがとう？｣
「なんで疑問形なんだよ！｣
ケラケラと笑う仗助君に釣られて私も笑っていた。
「Aさん、ほら｣
仗助君がそっと手を開くと、元通りのペンが現れた。
「え！？｣
「な？直せた｣
そう言ってヒラヒラと手を振り、仗助君はまた男友達の輪に戻っていった。
(…かっこいいなぁ)
当たり前のように、他人に親切にする人なんだ。普段はほとんど関わりのない私にすら。
また視界に仗助君を入れる。もしも、彼と仲良くなれたら。もしも、彼と毎日話せたなら。頭の中でもしも話が次々と浮かんでは消える。
聞こえないように私はそっと最後に思いついたもしも…を呟いた。
「仗助くんが、私のことを好きでいてくれたらな…｣
彼女の気持ち【トリッシュ・ウナ】※生存if リクエスト・ペスカトーレさん→←好きな人【花京院典明】
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りと(プロフ) - 時雨さん» 時雨さん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(≧▽≦)あ、ばれてしまいましたか？実は、ジョジョをきっかけに洋楽沼にもどっぷりはまってしまいました（笑） (2022年2月2日 2時) (
レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 突然のコメント失礼します！どのお話も素敵でついつい一気見しちゃいました…(o^^o)あと…作者様、もしかして洋楽お好きですか！？(*ﾟ▽ﾟ*) (2022年1月30日 16時) (レス) id: 71fef2bd30 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - プンプンするさん» はじめまして、コメントありがとうございます(^^♪ そう言ってもらって嬉しいですm(_ _)m (2017年9月11日 1時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
プンプンする - 最高です！ SPW可愛い…！ (2017年9月10日 20時) (レス) id: 5cff2a66ee (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - りんりん?^?ω?^?さん» りんりんさん、リクエストありがとうございます！承りました(*ﾟ▽ﾟ)ﾉこちらではお話がいっぱいなので、続編の方で書かせていただきます(^^)お手数ですが、続編の方をチェックしていただければ嬉しいです〜 (2016年10月31日 0時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2015年11月13日 0時
