好きな人【花京院典明】 ページ20
「やあ｣
毎朝の通学路で出会う君に声をかけること、それが僕の毎日の日課。
「おはよう｣
軽く会釈する君の隣をごく自然に並んで歩くことも日課。
「おはよう、今日は課題とかあったかな？｣
「なかった、と思う。違ったらすみません｣
君に毎日声をかけても、いつもこの通りだ。出会った時とさほど変わらない、敬語の抜けきらない礼儀正しい話し方。まあ、彼女からしたら僕はただのクラスメートだから、そんな距離感でも文句は言えない。
「そういえば、昨日の単語テスト。どうだった？｣
「良くも悪くもない、かな。花京院くんは？｣
「僕？聞かないでくれよ…あまり良くなかったんだ｣
僕にしては大袈裟に身振り手振りを付けて話してみる。そうすれば、彼女が笑ってくれるから。
「あ、笑った｣
「ふふ、ごめんなさい。でも、面白くって…！｣
この笑顔が僕は好きだ。ひだまりのような優しい笑顔はいつも彼女の周囲の人を虜にする。もちろん僕もその一人。
「今日は誰かと一緒に行く予定は？｣
「ない、けど…どうして？｣
「それなら僕と行こう。いやかな？｣
「嫌じゃないですよ｣
いつも通りの会話だけれど、それでも嬉しいことに変わりはない。小さくガッツポーズをすると、君はこてりと首を傾げる。
「花京院くん？｣
「ん、ああ、いや…｣
言葉を濁した僕の顔を、Aさんがのぞき込んだ。僕の考えを見透かしてしまいそうな瞳が僅かに細められる。
「顔、赤いですよ｣
「そ、そうかな？｣
すこし顔をそらして、僕は少し首を傾げた。
「まあ、いいわ……それより、この前花京院くんの噂を聞いたんですよ｣
「噂？｣
良からぬ噂か、と一瞬身構えたが、Aさんは微笑む顔を崩さない。
「好きな人がいるんだ、って｣
その言葉にギョッとした。頭が真っ白になる。
「ねぇ、どんな方なの？｣
「え…｣
「あ、それより、私と一緒に通学してていいの？｣
「え？」
「お相手さんに誤解されたらまずいでしょう？｣
口ごもる僕に、彼女が眉をひそめる。
「遊び人より、一途な人の方が素敵ですよ｣
「…一途だよ、僕は。君が好きだから」
僕の言葉にAさんがはたと足を止める。その彼女の顔は赤い。でも、それは僕も負けず劣らずなんだと思う。格好つかないなぁ、とは思うけど、今の僕にできる精一杯がこれだ。
「僕が好きなのは、Aさんだよ…」
もしも【東方仗助】→←as long as you love me【シーザー・A・ ツェペリ】
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りと(プロフ) - 時雨さん» 時雨さん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(≧▽≦)あ、ばれてしまいましたか？実は、ジョジョをきっかけに洋楽沼にもどっぷりはまってしまいました（笑） (2022年2月2日 2時) (
レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 突然のコメント失礼します！どのお話も素敵でついつい一気見しちゃいました…(o^^o)あと…作者様、もしかして洋楽お好きですか！？(*ﾟ▽ﾟ*) (2022年1月30日 16時) (レス) id: 71fef2bd30 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - プンプンするさん» はじめまして、コメントありがとうございます(^^♪ そう言ってもらって嬉しいですm(_ _)m (2017年9月11日 1時) (レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
プンプンする - 最高です！ SPW可愛い…！ (2017年9月10日 20時) (レス) id: 5cff2a66ee (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - りんりん?^?ω?^?さん» りんりんさん、リクエストありがとうございます！承りました(*ﾟ▽ﾟ)ﾉこちらではお話がいっぱいなので、続編の方で書かせていただきます(^^)お手数ですが、続編の方をチェックしていただければ嬉しいです〜 (2016年10月31日 0時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2015年11月13日 0時
