【カゲプロ】黒い蛇の不器用な愛【クロハ】

act.05 似た者同士 ページ7

「大丈夫……？A………。ご飯､持ってきたよ」

「ん…ありがとう……」

私はまた､その重いまぶたを擦り､コノハが持ってきてくれたご飯……という名のおかゆを口に運んだ。

口とお腹は､久しぶりに入る食べ物のことでいっぱいだろうけど､頭の中はまだつい先程の出来事が再生されていた。


『また会える』


心なしか､その言葉の意味が深く感じたのだけど､それは私だけだろうか。

そして何気なく､私が無言でおかゆを食べている姿を見ながらニコニコ微笑んでいるコノハに目をやった。

白髪の頭に赤い目。片方の目の下には不思議なマーク。
ヘッドフォンに矢印のスカーフ。

見れば見るほど近未来的なものが浮かんでくるように思えた。

でもやっと分かったんだ。

こうやってまじまじと見つめていたら。

誰かにー…似てるって。

「……夢……の………」

「ん？どうしたの…？」

「え？あぁ！えと…うん、平気！」

あはは､と誤魔化すように笑う私。
果たしてこれで誤魔化し切れたのかわからないけれど。

でもはっきり分かった。

コノハに似てる…人………。

色が反転したように黒髪で､黒服で､ヘッドフォンまでもが黒で……。

瞳や不思議なマークは黄色。

蜂のようなカラーリング。

やっぱり……


クロハさん………？


「…………」

今はまだわからないけれど､これから何か起こりそう。そんな気がした。

でも私はどうすることも………。


ただ、「まさかね…w」と笑い過ごすしかできなかった。

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