act.25 決意を込めて ページ34
次の日。
いつの間にかこの空間に居候(？)するようになった私は､この空間で快適な睡眠をとったあと､薊の元へ戻った。
…すると､「クロハがいない」という異変に気づいたのだ。
「ん？…あぁ､おはよう､小娘よ…」
「あ､えと…あの､クロハ…は？」
そんなにクロハが気になるならどーのこーの言われてまた複雑になるのは嫌なので､やや後ろめに言ってみる。
「……………」
「あの､クロハは…」
「行ったよ」
「え？何処に…」
「…マリーを連れに」
「は？!」
突然のことをアッサリ言われた瞬間だった。
というか､私があれだけみんなに迷惑はかけたくないと呆れるほどほざいていたというのに､それでもなお行ったと？
……クロハは私を裏切ったと……？
「そ…そんな…今すぐ止めないと…!」
「動くな小娘よ。もう蛇の力も薄くなってきつつあるんだ。マリーがいればまた蛇が再生し､さらに強い意思で作られた「世界」ができる…」
「でも…でも……っ!」
こんなのって……………!
「仕方なかったんだ。もう時間もない。
それに､お前さんも能力を欲しているではないか。さらに強い威力を持った「他の能力を吸い集める」能力が持てるのだぞ……？」
「でも､それはマリーちゃんの代わりとして頼んだもので…!!」
「お前はどうしたいんだ？マリーを助けたいのか？それとも私達か!？
そんなに要領よく､なんでも物事が丸く収まるとでも思っているのか!!!」
「…っ!」
「…お前はここで大人しくしていてくれ。
力づくでも連れてくるよう頼んである…」
「………っ」
言葉が詰まっていた。
大きな矢が､何本も何度も私の心を指す。
でも薊の言っていることも間違いではないのだ。
私は何がしたいのか。
私でも､よく分からない。
「どうすれば､いいの…っ」
思わず涙が溢れてくる。薊はそれを横目に蛇たちを集めていた。
「……」
ふとクロハの言葉はよぎる。
『俺は信じてるから。お前が助けたい奴が､お前の力で必ず笑顔になるってこと。
今辛くても､ちょっとの辛抱だと力づくで助けたら､後には笑顔が戻るだろ』
今辛くても､意地を張ってしまえば後にまた､笑顔が戻るかもしれない､と……。
「……そっか」
今いちいち､誰を助けたいなんて考えている暇はない。
勿論みんな無傷で助けたいけど､それを気にするよりも大変なことが起きているのだから……
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里都*°(プロフ) - natuさん» ありがとうございます！もし良ければ続きも見てやってください！(笑) (2015年1月6日 15時) (
レス) id: cc26d4ad75 (このIDを非表示/違反報告)
natu(プロフ) - 面白いです！頑張ってください！ (2015年1月6日 0時) (レス) id: 6d6fd7ff23 (このIDを非表示/違反報告)
里都*°(プロフ) - ことこんさん» ご指摘ありがとうございます｡誤字ですね…直させて頂きました､ミスすみませんでした;;改めてご指摘・コメありがとうございました…! (2014年12月12日 17時) (レス) id: cc26d4ad75 (このIDを非表示/違反報告)
ことこん - 失礼します。34のところクロハがクロミになっています。 (2014年12月11日 19時) (レス) id: 9b583ecf1b (このIDを非表示/違反報告)
茱 - これの続編がみたいなっt((聞いてない?知ってる(^ω^`)最新ふぁいと!! (2014年10月18日 22時) (レス) id: ed327fa0ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：里都*° | 作成日時：2014年8月6日 20時
