最後まで一緒にーPart2ー (ページ29)

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73話ページ29

智side

ジ「you達はこれから嵐だヨ」

嵐「あ、嵐？！」

そんなやり取りから始まったドラマ。

ニノが松潤のためにって一生懸命企画して…

完成したドラマは俺らも初めて見る。

昔の映像使うんじゃなくて、今の俺らがやってるからもう違和感しかない。

おっさんになったなぁ。

金髪似合わないなぁ。

そう思うばかり。

ドラマを見る松潤の表情は笑っているけど、時折寂しそうになる。

でも…なんで寂しそうなの？とはならない。

松潤の気持ちがわからなくないから。

おいらもこの5人と会えないとかありえないし、考えられない。

松潤はこのドラマにどんな想いを込めたんだろう。

楽しい時間があっという間っていうのはまさにこのことを言う。

このCM明けがこのドラマのラストシーン。

松潤自身が考えた、最後。

潤「次でもー最後だ。」

和「はい…。」

潤「俺の思い、みんなに届いて欲しい…。」

和「届きますよ。」

そんな2人の会話に耳を傾ける。

CMが終わり、パッと画面が切り替わる。

最後のシーンを撮影した、リビングみたいなスタジオに。

テーブルを囲むように座った俺らが映る。

そして、カメラが潤を抜く。

潤『俺…病気なんだ。もうみんなとは長くいられない。まだまだやりたいことはたっくさんあるけど、もうそろそろみんなとお別れしなくちゃいけないんだ。
伝えても伝えても足りないほどみんなには感謝しかないよ…ありがとう！』

5×20が流れる。

みんなが涙を流す。

おいらも涙を堪えられなかった。

ただ1人、松潤はテレビをじっと見つめていた。

真っ暗な画面に嵐の曲をBGMに制作者の名前が流れる画面を。

潤「みんな、もうちょっと見てて…。」

松潤のその一言にみんなの視線は再びテレビへ。

すると再び、

パッと画面が切り替わり、

映し出されたのは、

背景は真っ白だけど見慣れた俺らの家の松潤の部屋。

そして彼が映っていた。