【文スト】ジ殺愛好家の弟は。２【太宰治】

６８話 ページ36

　
「ふむ、追い掛けっこは得意という訳か・・・
　
まぁいい。いかな足自慢でも“夜”から永遠に逃げる事は出来ない」

　
「ねぇリンタロウ！お菓子屋さんまだ？」
　
「もう直ぐだよエリスちゃん
でもその前にもう一軒だけ」
　
「またお洋服屋さん？十五軒目よ？」
　
　
『エリス嬢、お菓子食べます？』
　
「食べるわ！」
　

「車で直ぐだから、来てくれたら私は死んでもいい！」
　
「なら死ねばいいのに…
　
もう！行けばいいんでしょ！！」
　



「その表情、何時見ても最高だねえ」
　

『キモ・・・』
　

「Aくん！？」
　
　
「《・・・首領(ボス)》」

　

「ん？あぁ何？」

　
「《例の“罠”は手筈通りに？》」
　
　
「あぁ、奴は直次の殺しをする
そこを狙おう」
　
　

『腹黒中年男・・・』
　

「聞こえてるよぉ！？」
　

『ちぇ』
　
　

　
バタンッと扉が閉まった。
　

そしてそれと同時に上がる火柱・・・

　
　

上空には森さんを掴んだエリス嬢
　
　
　

「もう、さいあく」
　
　

「あ……ありがとエリスちゃん
でも、く・・・首」
　

「あっそ」
　

エリス嬢はポイ捨てをする様に森さんを投げる


「痛いッ」
　

『ﾌﾟｯ』
　

「“ありがと”なんて全然うれしくないもん
だってリンタロウがあたしを操って助けさせたんだし」
　
　
「ごめんよぅ
でもエリスちゃんは私の異能だから」
　
　
「だからイヤなの！怒ったりイヤがるのも
そうなるようにリンタロウが“セッテイ”してるからだもん！」
　
　
　
『まぁまぁ・・・』
　
　
「A！Aはけがはない？」
　
『ありませんよ。ご心配ありがとうございます』
　
　

　
森さんは芥川くんと電話をしている
　
　
　
　
　

「“常に先手が勝つ”」

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