獅子と大鷲 ページ43
・
"レイブンクロー！！！！"
あの日、僕の頭の上に乗った喋る帽子は声高らかにそう告げた
目を見開いて驚く僕の目に映ったのは、落胆する他の寮の人達と張り裂けんばかりに喉を震わして歓喜する先輩達の姿
そして、どこか悲しそうで……それでも嬉しそうな顔をしたマクゴナガル先生の顔
彼女にそっと優しく背を押され、僕の事を盛大な拍手で迎えてくれる人達の元へ歩き出す
"古き賢きレイブンクロー
君に意欲があるならば
機知と学びの友人を
ここで必ず得るだろう"
『………』
組み分け帽子の歌を思い出しながら、大鷲のエンブレムを目指して歩を進める
すると興奮した先輩達が次々とこちらに手を伸ばしてきた
「よろしく！！」
「やったぞ！天眼のポップルウェルを獲った！！！」
「これでレイブンクローの優勝は確実だ！！！」
「本当に可愛い！！！」
誰だ今可愛いって言ったやつ
1人1人に握手を返すのは無理なので、とりあえず監督生バッジを付けている人の手を握り返す
『よろしくお願いします』
「伝説の瞳を持つ男の子……か、確かに綺麗な目だ
うん、いいね………こちらこそよろしく！
……このバッジを取られないように僕も頑張るよ」
嫌味のない笑顔にホッとしながらその言葉に頷く
席につき、まだ続いている組み分けを見守りながらふと隣の寮を横目で見ると
僕の前に組み分けされていた……やんちゃそうな4人の男子生徒が目に入った
………彼等と僕の違いは、一体何だったのだろう
勇気と騎士道精神に溢れた者が集うグリフィンドール
実を言うと、僕はグリフィンドールに選ばれると思っていた
いや、選ばれたかった……と言った方が正しいか
あの赤い獅子のエンブレムを胸に掲げ、今校長席に座るあの人に頭を撫でて欲しかったのだ
そして、その隣に座る彼女に誇らしい顔をさせてあげたかった
「心配しないで、あなたは勇敢な子ですから……」
いつもそう言ってもらっていたから、絶対そうなると思っていたのに
『………』
「おいジェームズ！それは俺の肉だろ！」
「良いじゃないかシリウス、そうケチくさいこと言うなよ」
「チョコは無いのかな……」
『………』
楽しそうに笑う彼等を見ていると、何だか自分が惨めに思えて顔を伏せた
いいな………いいな、グリフィンドール
どうして僕はレイブンクローなんだろう
僕には勇気がないのかな……やっぱり僕は弱虫なのかな
そんな事を思いながら、僕は胸元にある青いエンブレムを
ぎゅっ、、、と胸の潰れる思いで握りこんだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わさび(プロフ) - まめさん» こちらにもコメントを！！！それにリクエストまで！！！ありがとうございます！！！もちろん書かせて頂きます！少しお時間を頂くかもしれませんが、必ず書きますのでお待ちください🥰🥰🥰 (2月24日 22時) (
レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 本編でもコメントさせていただいたのですがこちらでもコメント失礼します！ポップウェル先生とルーピン先生の絡みとても可愛くて口角が下がりません笑ウィーズリー双子との濃い絡みを書いていただくことは可能でしょうか🙇🏻♀️´- (2月23日 22時) (レス) @page27 id: d55397a9df (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - やよいさん» こちらにもコメントを！！！ありがとうございます！！！更新滞ってすみませんでした💦 (12月24日 23時) (レス) @page31 id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ハロウィンのお話てえてえです🥰勉強の活力にしてます！更新頑張ってください！応援してます！！ (11月13日 17時) (レス) id: e77642feeb (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - みのうらさん» ひぇぇぇ、そう言って頂けて嬉しいです！！！！元気出ました！！！！ (9月19日 22時) (レス) @page19 id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わさび | 作成日時：2023年4月22日 18時
