高校3年間何事もなく地味で過ごすはずだったのに！

第26話 ページ28

浦田Side

Aのお父さんから電話があったが「協力してほしい」と頼まれたので協力することになったのはいいのだけど･･･。問題はAのお母さんのほうなんだよな。あったこともないし、Aはお父さんの謝罪の時に震えていたし。不安だけど、守ってあげなくちゃいけないんだろうな。

Aは電話が終わっているのにまだ考え込んでいる様子。あまり気にしていなかったけど、毎日不安を抱えて学校に行っていたことになると思うと、だいぶ俺だと疲れそうな感じがする。

俺にはAみたいに、イジメられたことがないから気持ちはわからない。でも、辛かったことだけは分かち合えるかもしれない。王子様だからって頑張って気を配っていった俺と、不安を抱えながら日々の生活を送っていったA。どんなに違くても少しだけ似ているところがあるかもしれない。

今Aは思い詰めているのかもしれない。もしそうだったら、俺が救ってあげたいな。
まだ、話すと怖いって言ってたし、人を信用できないとも言っていた。俺がそんなAに寄り添っていって、「信用できる人もいるんだよ」て教えたい。

どうか、神様がいるのなら









これ以上、Aの幸せを壊さないでください









僕はあまり役に立てないかもしれない。それでもいいんだ。Aが一歩前に向いて歩くまで寄り添ってあげる。そして、困っていたら相談に乗ってあげたり、一歩踏み出す勇気を与えてあげる。









それが、今僕にできる。





最低限なことだから。






大丈夫。なんて根拠のない言葉だけど、Aならきっと大丈夫。不安になっても俺がついてるから。






そう、伝えることがいつかできるといいな。

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