浦島坂田船の紫さんは幼馴染と怪盗やってます

〜第1章　Part４！　作戦実行日〜 ページ9

裏口から入り、目的のフロアまでたどり着いた。

私は今、13階の非常階段にいる。

敵「……そんな……わたしにはムリだ！」

非常階段からフロアーへ出ようとしたとき、男の声が聞こえた。

敵「上からのお達しだ。コレを使って金を奪う。ことわるなんて選択肢はないぞ」

おそらく人は2人。ここから姿は見えないけど、何かを話してるみたい。

手鏡を取り出し、扉の隙間にさしこみ角度を調節すると、鏡に小さく男の姿がうつる。

背中を向けているのは大柄でしっかりした男。

こちら側を向いているのは、ずんぐりとしたシルエットに白髪頭の男。

(は？まじで？)

白髪男の方を見ると、手には拳銃が握られていた。

A＞相手拳銃持ってるんだけど。

志麻＞まじか…。尚更警戒しておこう。

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志麻 Side
こんなときにSide回ってくるんか。

あ、どうも。初めまして志麻です。

今は任務をしてるため「Steal」というアジトに潜入しています。

Aのことだから、もうフロアについてると思うけど。

そろそろ行こうかな・・・。

あれ、Aからや。なんやろ？

A＞相手拳銃持ってるんだけど。

は？それまじで言ってる？

志麻＞まじか…。尚更警戒していこう。

西側の部屋はAのおる場所とは違う別の非常階段の近く。

壁にぴたりと背中を付けたまま、扉を数センチだけあけて中を覗き込む。

電機はついてるけど、人の気配はないな。

背の高いスチールラックがせまい間隔で並べられ、大小の段ボールがぎっしり収納されている

志麻＞段ボールがいっぱいある空間に来た。敵はいなさそう

A＞分かった。目印となる物はある？

志麻＞jewelryて書いてあるn…。待って、敵が来たから身をひそめる。

わずかな音でも、気配を察知されたら終わり。

棚をへだてて向こう側を目がぎょろっとした若い男が通り過ぎる。

男はふいに、棚の上の方にある段ボールを1つ引き抜いた。

ガチャガチャと音をさせながら中をあさって、すぐ元の場所に戻す。

jewelryと書いてある段ボールまでもう少し…。

敵「おい、テメーー！」

奥からだろうか。誰かの怒鳴り声がひびいた。

それと同時に、驚いた男が、床に何かを落とす。

俺は音のした方へ目をやって―、

あれは、悠さんが探してるアクアマリン。

体の神経が、アクアマリンにくぎ付けになった。

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