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第七十八章 ページ5

一松side


一「うあ〜……っ。」

一人になった部屋で、ごろりと寝転がる。

さっき料理の手伝いをしてくるとかで、Aは下に降りていってしまった。

あの愚兄弟は茶化すのが目に見えてるから、母さんに連絡入れたし……。


…………暇だ。


本来だったら、Aといちゃいちゃする予定だったけど、流石に実家では嫌だったらしい。

最初は何で、と思ったものの、実際俺自身も自分の家でやる勇気は無いに等しい。

……分かってて嵌めたけどさ。



その時。



「A姉さん……。」

気弱な女の子の声。

慌てて起き上がった俺は、ぱたん、と開いたドアに目を向けた。



「数学の宿題を……、っていない。」



あたりをきょろきょろと見渡した、一つ結びの女の子。

そして、俺を見つけるとぱたぱたと駆けてきた。


「えっと……、A姉さんの彼氏さん?」

一「そうですけど何か。」


いつもの癖で、素っ気ない態度を取ってしまった。

でも女の子は顔色を変えずに、にこりと微笑する。


「A姉さん、いい人だから……。

幸せにしてあげてね。」

一「いい人だってのは知ってる……。

ホント、お節介だし頼りなさそうだけど……。


…………だから側に置いておきたくなる。」


こんな事を彼女の妹に言うことか、と思ったけれど言ってしまったものはどうしようもない。


「ふふ、A姉さん愛されてるみたいでよかった。」

一「俺に話しかけたのは、お姉さんが心配だったからなの……?」

「それもあるけど……。

だって、A姉さんはこの家でまともに話ができる人だし。」


……他はまともじゃないのかよ。


口からこぼれそうになった言葉を、ぐっとのみ込んだ。


「本当の目的はA姉さんに数学教えてもらおうと思ってさ……。

私はダメダメだけど、A姉さんは結構得意だったから。」

一「ふーん……。」



俺は少し考えて、



一「…………俺でよかったら教えるけど。









…………夢ちゃん。」




少女は目を見開いた。

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黒兎(プロフ) - こむむんさん» いえいえ、こちらこそイケメンなトプ画を書いてくださってホントに感謝してます。完結は完結なんですけど、番外編書いてるので併せて呼んでくださったらうれしいです。 (2017年3月13日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 絵馬さん» ありがとうございます!楽しく読んでいただけたら本望です〜 (2017年3月13日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
こむむん(プロフ) - めっちゃ面白かったです!もう完結だなんて、私吐血しちゃいそうです← 完結おめでとうございます!! (2017年3月13日 13時) (レス) id: 3400672e6f (このIDを非表示/違反報告)
絵馬(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても楽しく読ませていただきました。 (2017年3月13日 13時) (レス) id: e450e79069 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - クリームにゃんさん» 期待してて!ドヤァ← (2017年3月7日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/satisfy15/  
作成日時:2017年3月3日 22時

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