第八十四章 ページ11
一松side
それからは、俺は準備も兼ねてAと一緒に住んでいる。
戸籍を入れたわけではないから、まだ同棲状態だけど。
一「……寒い。」
『寒いじゃない！
ナチュラルに手を前に持って来ようとするのやめて！』
エプロン姿で朝ご飯を作るAにくっついて手を前に伸ばしたら、フライパンを持ってないほうの手で、ぺしっとはたかれた。
一「……ッチ。」
『朝から盛るのはやめて、ホントに。
いっくん手加減知らないし。』
一「さーせんっ。
……じゃあ、今夜ね。」
『は！？』
一「これ、決定事項だから。」
テーブルの上に既に置かれたウィンナーに手を伸ばすと、口に放った。
これも当然怒られたけど。
一「……んで、今日はカフェの方は？」
『ん〜……。
行きたいというか行かなきゃなんだけど。
体調がちょっとよくなくって。』
一「大丈夫なの……？
今週ずっと顔見せてなくない……？
……いいの、病院とか行かなくて。」
微笑む彼女に心配してそう聞くと、
『大丈夫大丈夫！
症状も風邪みたいなものだし。
でもお客さんにうつしちゃだめだから。
ここで休んどく。』
一「……そ。」
今週一週間ぐらい、Aはこんな感じだ。
俺の前でつらい顔は一つも見せたことはないけど、ここまで立て続けに仕事を休めば、彼女の調子がおかしいんだろうな、というのは大体察しが付く。
でも、「だったら病院行きなよ」というのは結構前から言ってるんだけど、『大丈夫』の一点張りだから追及するわけにも……。
一「……分かった。
鹿立さんにそう伝えておくから。
あんまり無理しないで。辛かったら寝てて。
……嗚呼、そうだ。
クソ松とトド松呼んでおくから、好きにこき使っていいから。」
にやり、と口角をあげて笑うと、『そんな、お客さんを使えないよ〜』って。
……どんだけ人がいいんだよ。
所詮、義兄じゃんあいつらなんて。
まぁ、ここで俺が説得したところでAが聞くとは到底思えないけど。
そんなことを考えながら、俺は二人分の箸を取るために動き出したのだった。
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黒兎(プロフ) - こむむんさん» いえいえ、こちらこそイケメンなトプ画を書いてくださってホントに感謝してます。完結は完結なんですけど、番外編書いてるので併せて呼んでくださったらうれしいです。 (2017年3月13日 16時) (
レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 絵馬さん» ありがとうございます！楽しく読んでいただけたら本望です〜 (2017年3月13日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
こむむん(プロフ) - めっちゃ面白かったです！もう完結だなんて、私吐血しちゃいそうです← 完結おめでとうございます！！ (2017年3月13日 13時) (レス) id: 3400672e6f (このIDを非表示/違反報告)
絵馬(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく読ませていただきました。 (2017年3月13日 13時) (レス) id: e450e79069 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - クリームにゃんさん» 期待してて！ﾄﾞﾔｧ← (2017年3月7日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/satisfy15/
作成日時：2017年3月3日 22時
