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第七十五章 ページ2

一松side


畳に頭をつけて、ただただ両親の返答を待つ。

心臓の鼓動は高鳴るばかりで、下手したら破裂するかもしれない。

恐怖と、なんとも言えない威圧感を全身に感じて、手が震えた。


父「……顔をあげなさい。」


俺より少し高いか。

威厳を感じさせる父親の声が聞こえて、恐る恐る顔を上げると、




一「……え。」



…………二人とも、満面の笑みをたたえている。

え、嘘だろ?

あんな意気込んだ俺、なんだったの。




そんな俺にお構いなく、二人は続けた。


母「Aは本当に彼氏なんてできると思ってなかったから、よかったわぁ。

堂々と男の子なんて興味ない!とか言ってたしねぇ。

女の子のお友達と結婚したい、とも言ってたわね。確か。」


一「……え。

…………俺より女が好きだったの?」


『誤解だって、お母さん!

興味が無かったのはホントの話だけど!

いっくんもそんなこと言わない!!』


父「そうだな〜。

前は男子が嫌いとも言ってなかったか?

(まこと)がそれ聞いて泣いてたぞ。」


一「……やっぱり、ホントに女の方が好きなんじゃ……。」


『それはお兄ちゃんが変なこと言ってきたから!

夢とかにも影響が出るから、そういうこと言うお兄ちゃんは嫌い、って言ったの!!

お父さんもお母さんも、このタイミングで黒歴史みたいな言い方しないで!!』


ぜいぜいと息を吐くA。


『それで、結婚は認めてくれるのね!?』


半ギレ状態でAが聞くと、二人とも穏やかな微笑みを浮かべてこくりと頷いた。



認めて、貰えた?



今頃になってその達成感が湧いてきて。

次の瞬間、俺は隣に座った彼女を精一杯抱きしめた。


『わ、いっくん!?』

一「……っ、よかった……っ。」


急に身体の力が抜けて、涙腺が緩みそうになった。

ここで泣くのはみっともないから、どうにかこらえたけど。


『……うん、よかった。

まぁ、お父さんもお母さんもそんな頑なな人じゃないから、大丈夫だろうとは思ったけどね。』

一「それ、早く言えよ。

後、女のほうがやっぱりいいとかだったら、フラグ立てていってね……。」


そういうと、『怒るよ?』と笑顔で返された。



母「今日帰ったら、大変でしょう?

今日は泊って行きなさいよ、二人の部屋も用意してあげるから!」

父「嗚呼、そうだな。

一松くん、だったか?酒は飲めるか?」

一「え、えっと、少量なら……。」

『お父さんとお母さん、なんかイキイキしてない?』

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黒兎(プロフ) - こむむんさん» いえいえ、こちらこそイケメンなトプ画を書いてくださってホントに感謝してます。完結は完結なんですけど、番外編書いてるので併せて呼んでくださったらうれしいです。 (2017年3月13日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 絵馬さん» ありがとうございます!楽しく読んでいただけたら本望です〜 (2017年3月13日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
こむむん(プロフ) - めっちゃ面白かったです!もう完結だなんて、私吐血しちゃいそうです← 完結おめでとうございます!! (2017年3月13日 13時) (レス) id: 3400672e6f (このIDを非表示/違反報告)
絵馬(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても楽しく読ませていただきました。 (2017年3月13日 13時) (レス) id: e450e79069 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - クリームにゃんさん» 期待してて!ドヤァ← (2017年3月7日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/satisfy15/  
作成日時:2017年3月3日 22時

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