幸せを君に

勇気出た！＊玉森Side ページ39

昨日、ずっと好きだった楓のこと、Aちゃんに聞いてもらって何だか勇気が出た。


ミツとガヤが連絡取れないって言ってて、だからもしかしたら俺もダメかもなーって思いながらかけた電話だったけど、いきなりだったから咄嗟に出ちゃった感じだった。


ミツとガヤはお互いAちゃんのことは話そうとしない。
でも二人とも俺にはAちゃんのこと言ってくるから二人が結構マジでAちゃんのことが好きなのも俺は知ってる。

メンバーで女の取り合いとか微妙…って思ってたけど、そうなる前にどっちも連絡が取れなくなるなんて思ってもみなかったから俺もびっくりしてた。


とりあえず今日は自分のために電話したけど、そこそこ元気って言ってたし、生きてるってことはわかったからちょっと安心した。
それくらいのことは楓に聞けばわかることなんだろうけど、俺がAちゃんのこと好きだとか勘違いされたら嫌だなって思うとなかなか聞けなかった。



俺は楓のことを頑張るっていうことと同時に決めたことがある。
それはミツとガヤにAちゃんと電話したことを伝えるってこと。


最近の二人はもう見ていられないほど落ち込んでる。

もちろん、これまでキスマイを引っ張ってきてくれた二人だから、プロとして仕事は完璧にこなす。

でも楽屋に戻ると一気に電池切れって感じ。


ガヤはよこーさんが話しかけても上の空って感じの返事だし、ミツはニカ千がちょっかいかけてもスルー。

そして二人に共通するのはスマホを見ては溜息をつくってこと。



だから俺は今日二人を呼び出している。
仕事が終わったら俺の家に来てって。



だって話の内容が内容なだけに外でするのは危険だからね、俺たちアイドルだから。



俺って意外とちゃんと考えてんのよ。

意外とね。

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