危ない蜜６【歌い手短編小説】

監獄生活 : そらまふ★※２ ページ2

『っ、違…！』




「違くないだろ、だから言わないんでしょ？」




『違う！』





嘲笑うかのような口調で
そう言いのけたそらるさんに

若干涙が溜まった目で

じっと睨む。


それが気に入らなかったのか
そらるさんは立ち上がると

犬の様に繋がれた私の首の鎖を引っ張って

無理矢理立たせた




『っう……』




気管が締め付けられ、息苦しい。

もがこうとしても
私の両手も両足も、

彼等の鎖に繋がれて動けるはずも無い


苦しそうな顔をする私なんて物ともせず

そらるさんは寧ろどこか楽しそうに
私の顔を眺めていた。




「ここでは俺達が絶対ルール、ご主人様って言ったよね？ご主人様に向かってその目は無いんじゃない？A？」




『っ…』




首輪を引き寄せられ、
吐息がかかる程顔を寄せられるも


私はやっていない、という意地と

悔しい思いが入り混じり、
下唇を噛むと視線を逸らす。




「…誰が逸して良いって言ったの？」




『ん…！』




そうやって黙っていると

突然後頭部を鷲掴みにするように
手を添えられ、引き寄せられると


荒々しく冷たい唇が私の唇と重なる。

少しも立たない内に
彼の舌はいつの間にか私の口内へ入っていて

思考と唇が

ぐちゃぐちゃになるまで掻き乱される


苦しくても自由の効かず、
そらるさんに押さえつけられている私では

もう顔を逸らすことさえできない。


舌を噛み切ろうにも

そんな勇気は無いし
彼の舌使いのせいで力も入らない


なにも篭ってない空っぽのキスなのに

どうしてこんなにも
顔が熱くなるのだろう。




「ほら、機嫌を損ねたご主人様にどうするか…

教えたはずだよ。」





『……っ』





唇を離すと人差し指を唇の前に置き

口端を上げるそらるさんの
サディスティックな表情にゾッとして


目の前に差し出された

そらるさんの手にキスをする。




「…それだけ？」




『……』




少し黙ると

ゆっくりと細く長い指先を
口に含む


逆らったらもうどうなるか分からない

強がっても無罪を主張しても
それだけは身に染みていて

まるで奉仕するように

一生懸命指に舌を絡ませる。



「…言うことは？」



満足そうな顔で
私を見下ろすそらるさんに

自身の唾液でびちょびちょになった手を離し

彼を見上げると



『許して…下さい、ごめんなさい…』




羞恥心を抑え込んで

歯切れ悪くそう言うと




「…良くできました」




濡れた手を舐め上げながら

彼は妖艶に微笑んだ。

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