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イースター休暇が明けて四月。この日、Aはグリフィンドールの入り口のすぐ側で立ち、たまに過ぎて行く生徒達の中から、リーマスを探していた。クリスマス休暇が明けてから、彼は一段とAに対するよそよそしさがなくなったかのように思える。それがシリウスの存在によるものだということを露とも知らないAは、彼が以前のように、また自分のことを見てくれているのだと勘違いをしてしまっていた。
(....どちらにせよ、今日の誘いを断られたら、彼のことは諦めよう。)
そう心には決めていても、やはりどこかで彼に期待してしまっているA。彼女がその残酷な彼の思いを知るのはあともう少しだった。
「!...リーマスッ!ちょっといいかな....?」
しばらくしてから彼女の側を過ぎる彼の姿。それを見たAはすぐさま彼を呼び止めた。
「?どうしたんだい、A?もしかしてまたジェームズ達がどこかで悪戯しまわってる?」
「あの....そうじゃないの。....今日は私が貴方に用があって....。」
以前、彼に拒絶されてからというものの、彼に自分から声を掛けるのは監督生の用事かジェームズ達のことについてであったAは、なんとも言えない気恥ずかしさを思い出した。それはリーマスも感じ取った様で、つい最近まで忘れていた彼女との気まずさが一気に込み上がってくる。
「あのね、もし良かったらなんだけど....。...今度のホグズミードに一緒に行ってくれないかな...?ほらっ、今まで貴方と一緒に行ったことなかったし、もうすぐO.W.Lでこれから忙しくなるから今しかないかなって思って....。」
「......。」
自然と少しだけ上目遣いでそう問うてくる彼女に、リーマスはシリウスに告げた決意も捨てて彼女の元へと傾いてしまいそうになる。だが、その決意はやはりそう易々と捨てされるものではなかった。
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ちひろ。!(プロフ) - コメント失礼します!このCSSなのですが、なんて調べれば出てきますか??~_~; (2021年3月11日 17時) (レス) id: df9615165f (このIDを非表示/違反報告)
烏の宿り木(プロフ) - とても胸に響く作品で、主人公に感情移入しすぎて泣いてしまいました。1年でも2年でも3年でも待ってますのでゆっくりと休んでください。主人公の幸せとさんさん様の幸せを願って(上から目線ですみません)またお会いできる日を楽しみに待っています。 (2020年4月9日 21時) (レス) id: 96c6daa713 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます。余裕がある時にまた作品を更新したいと思います。それまで待っていて頂けると嬉しいです。 (2020年3月26日 5時) (レス) id: 139e20040f (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 更新楽しみにしています>< (2020年3月16日 2時) (レス) id: 5f671b2301 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん(プロフ) - 玲さん» また時間がある時に、玲さまの作品も拝読したいものです。ご理解のあるお言葉、本当にありがとうございました。これからも少しずつではありますが、お話を楽しみに待ってくださる方の為に頑張ります。 (2020年3月7日 2時) (レス) id: 139e20040f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんさん | 作成日時:2019年12月22日 22時