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「....ねぇ、まだ歩くの?何か用なら、明日の授業の前でも良かったのに。」


Aは黙って先を歩くシリウスにそう問いかけた。それでも尚、彼は曖昧な返事を返して歩き続ける。結局、シリウスが本題を話し始めたのは、ホグワーツ の温室の辺りに着いてからだった。新月の為周りは暗く、誰もいない。


「......今から話す事は、お前を傷つけるかも知れないけど、聞いてくれるか?」

「...いきなりどうしたの?なんだかシリウス、怖い顔してるよ。」


そうAに指摘され、シリウスはハッとした様に不審がるAの表情を伺った。


「っすまない。....お前を怖がらせたいつもりじゃないんだ。でも....お前には、相談しておいた方がいいと思って.....。」


Aを怖がらせない様に、優しくシリウスはそう言った。その彼の言葉にAは静かに彼の言葉に耳を傾けた。



「その....俺の母親....。知っての通り、闇側の人間が、この前の休暇の時に俺とお前の関係を聞いてきたんだ。」

「.....え?」

「何だかその話ぶりがお前やお前の家族に何か興味を持ってる様だったんだ。....気を付けておいた方がいい。」


心の底からAを心配する様なシリウスの話に、Aも事の重大さを理解していた。闇の魔法使いは、近頃その勢力を強め、魔法界にも不穏な空気が漂っている。そんな恐ろしい集団に近しい人物が、何の関わりもない彼女達に興味を持つ意図がわからない。


「そんな...、私達何もしてないわ....。」

「.....まだ彼奴らの考えてることは分からない。けど、用心はしててくれ。今俺の叔父...信頼出来る人が調べてくれるてるから。」

「ありがとう。....私もお父様に相談してみた方がいいかしら。」

「いや。俺の叔父から連絡が来るまで待って欲しいんだ。その、俺の気のせいって可能性もあるしな。....俺を信じて待っててくれないか?」


そう強くキャラメルの瞳を覗き込むグレーの瞳にAは全てを彼に託せる様な気がした。彼の言う様に気のせいであって、そんなに大事な事でも無いのかもしれない。Aは彼の言う通りに父に知らせる事はやめた。

「分かったわ。貴方は私の頼もしいお友達ですもの。.....信じて待つわ。」

「.....あぁ、ありがとう。」


そうして二人は密談を終えてまた寮へ戻っていった。月の居ない夜は恐ろしく暗い。その暗がりにAはこれからの不安を覚えつつも彼を信じる事に決めて、親友達の待つ暖かな場所へと足を動かした。



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さんさん(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます。三人が様々な困難を超えた後どんな運命が待っているのか、私も楽しみです。 (2019年11月16日 21時) (レス) id: 1e8fd96323 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最後は主人公ちゃんが、二人の腕をとって親友としての未来が待っていたら…。それより、主人公ちゃんに忍び寄る男の影、「主人公ちゃんに手出したら、ゆるしませんぇぇ!!」 (2019年11月16日 13時) (レス) id: 750579a695 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん(プロフ) - お紅茶さん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです!読者の方にとって一番心に残る様な作品を書き続けていきたいです。 (2019年11月16日 2時) (レス) id: 1e8fd96323 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん(プロフ) - 玲さん» 先日のコメントでレスを押すのを忘れていました!時間が経ってしまってすみません! (2019年11月16日 2時) (レス) id: 1e8fd96323 (このIDを非表示/違反報告)
お紅茶(プロフ) - えっ、え… ここ最近で1番面白いと思いました!これからも頑張ってください!!! (2019年11月15日 21時) (レス) id: 0d7f6ee986 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さんさん | 作成日時:2019年11月9日 0時

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