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休暇明けにシリウスに警告された事は確かに正しかったのだ。自分の周りでは何かが起きている。先程エイブリーから言われた言葉も頭から離れない。得体の知れない恐怖に、Aの肌の色は健康的なものから、真っ青へと変わっていた。
しばらくして、ずっと廊下に立っているわけにもいかず、Aは一度寮に戻ることにした。いつもの帰り道を辿るが、その道中、何も考える事はできなかった。時々すれ違う生徒には、心此処にあらずの彼女を怪奇そうに見られていた。
「.....おいっ。おいって！....A、大丈夫か？」
Aはそう突然声を掛けた人物に目を向けると、そこにはシリウスがいた。気づけばそこはグリフィンドールの寮の近くだったのだ。Aは彼の灰色の優しい瞳を見た瞬間、これまでの緊張が一気に解け、思わず大粒の涙が目から溢れてしまった。
「ぁっ...シリウス....。私、私どうしたらいいのか....。.....もう何も分からないの...っ...。」
リーマスに距離を置かれた時から毎日あまり元気のなかったAだが、いつにも増して儚げな存在になってしまった彼女を見て、シリウスはこんな時でもどうしようもなく彼女を好きだという感情が込み上げてきた。もう、彼女の幸せ以外は何も要らない、そんな気持ちであった。
その時、力強い腕がまるで消えてしまいそうなAの存在をしっかりと抱きしめた。あまりに突然のことにAは何が起こっているのかわからない。
「えっ...あの、シリウスっ！？....ちょっと....」
「....お前の泣いてる姿を他の奴に見られたくないんだ。こうしたら見えない。.....だから今は...辛い時は沢山泣けばいい。話だっていくらでも聞いてやる。お前は今此処にいるから。俺の側にいるんだから。」
Aの耳元でそう囁くシリウスの暖かな声に冷え切っていたAの心は解け、更に涙が溢れてくる。
しばらくAがシリウスの腕の中で泣いた後、シリウスはAの話を聞くために二人で天文台へと向かって向かった。
今日の夕食は食べられそうにはない。この日、大広間の二人の席だけがぽつりと空いていた。
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さんさん(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます。三人が様々な困難を超えた後どんな運命が待っているのか、私も楽しみです。 (2019年11月16日 21時) (
レス) id: 1e8fd96323 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 最後は主人公ちゃんが、二人の腕をとって親友としての未来が待っていたら…。それより、主人公ちゃんに忍び寄る男の影、「主人公ちゃんに手出したら、ゆるしませんぇぇ！！」 (2019年11月16日 13時) (レス) id: 750579a695 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん(プロフ) - お紅茶さん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです！読者の方にとって一番心に残る様な作品を書き続けていきたいです。 (2019年11月16日 2時) (レス) id: 1e8fd96323 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん(プロフ) - 玲さん» 先日のコメントでレスを押すのを忘れていました！時間が経ってしまってすみません！ (2019年11月16日 2時) (レス) id: 1e8fd96323 (このIDを非表示/違反報告)
お紅茶(プロフ) - えっ、え… ここ最近で1番面白いと思いました！これからも頑張ってください！！！ (2019年11月15日 21時) (レス) id: 0d7f6ee986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんさん | 作成日時：2019年11月9日 0時
