問題児2人と保護者1人。ただし最強。

参拾参話 ページ42

　
　
　
外に出て、しばらく無言で歩く


最初に口を開いたのは悟くんだった


「なぁ、A。なんか怒ってんの？」

『ん？別に怒ってないよ』

「じゃあなんで黙ったままなんだい？」

『…弱者生存。僕は呪術(ちから)を持たない人を助けたい。それがただのエゴだと言われても、誰かを助けられる力を、そのための力を、自分が持っているのなら』


僕がそう言うと2人は顔を見合わせた


「やっぱ怒ってんじゃん。さっきの俺の発言だろ？」

『……うん。ちょっとね』

「俺あんなAの声初めて聞いたわ。…………わりぃ」


別に謝ってほしいわけじゃなかった


ただ、それが変わることのない悟くんの考えなら、僕とはやっぱり違うんだなって思っただけなのに


そんな顔しないでよ


胸が痛くなる


『もういいよ悟くん。僕もムキになっちゃってごめんね』

「ん。あ、飲み物買ってい？」

「悟……」

『……ねぇ悟くん。ひとつ聞いてもいい？』


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「でもさー、呪詛師集団の「Ｑ」は分かるけど盤星教の方はなんで少女ガキんちょ殺したいわけ？」

『盤星教の人たちが崇めてるのは天元様だけ。中身は天元様でも違う体に入るのは許せないんじゃないかな』

「だが盤星教は非術師の集団だ。特段気にする必要はない。警戒すべきはやはり「Ｑ」!!」

「まぁ大丈夫でしょ。俺達最強だし」


最強の称号に値するのは悟くんと傑くんだけだと思うけど…


ﾎﾞﾝｯ)


えっ？


ビルで爆発？


『あそこって確か…』

「これでガキんちょ死んでたら俺らのせい？……あ」


人が、落ちてきてる……！


『っ、傑くん！』

「あぁ…！」


呪霊に飛び乗って少女を救出する傑くんを見届ける


「いやぁセーフセーフ」


［坊、伏せろ！］

『っ⁉』


伏せろっていうわりには勝手に中から体動かしてきてるよねっ


ちょうど僕の頭のあった位置を通り過ぎてゆくナイフ


他にも悟くんに向かって投げられていたけど、無限によって当たる前にピタリと止まった


「泣いて謝れば殺さないでやるよ」

「クソガキが」

「Aは他の奴いないか見てきて」

『了解』


体の向きを変えて走り出すと、またナイフが飛んできた


今度はなんか投げられる気がしてたから避けられた


「おい…誰に投げてんだぁ？」


あ〜あ、怒らせちゃった

　

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「星漿体暗殺ともう一つ。今走ってる奴を殺せ」

「…弱そうな餓鬼だな」
　

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