問題児2人と保護者1人。ただし最強。

参拾弐話 ページ41

　
　
　
「別に一般人(パンピー)に見られたってよくねぇ？呪霊も呪術も見えねぇんだし」

「駄目に決まってるだろ」

『うん。呪霊の発生を抑えるのは何よりその悟くんの言う一般人の心の平穏』

「Aの言うとおりだ。そのためにも目に見えない脅威は極力秘匿しなければならないのさ。それだけじゃない、」

「わかったわかった」


もう聞きたくないとでも言うように傑くんの言葉を遮る


でも本当にその通りなんだ


一般人には見えない呪霊も


まぁ、生み出すのはその一般人だけど


それを対処できない彼らを僕たちが助けてあげないと


「呪術は非術師を守るためにある」

「それ正論？俺、正論嫌いなんだよね」

「何？」

「呪術(ちから)に理由とか責任を乗っけんのはさ、それこそ弱者がやることだろ」


頭上で繰り広げられる不穏な会話


何かを察知した硝子は逃げていった


正直僕も逃げたい


でも、悟くんの言葉がどうしても聞き捨てならなかった


弱者が理由や責任を求めることの、何が悪いって言うの…？


「ポジショントークで気持ち良くなってんじゃねーよ。オ゛ッエー」

「外で話そうか、悟」ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞ

「寂しんぼか？一人でいけよ」


［坊、夜蛾が来る］

『……2人とも、いい加減にしなよ。先生来るよ』

「「！」」


2人が席につくと同時に夜蛾先生が入ってくる


…ありがとね、酒呑童子


［お安い御用だ］


夜蛾先生が来たのは任務の話をするためだった


僕たち3人必要な任務って…？


「天元様のご指名だ」


！


「“星漿体”、天元様との適合者。その少女の護衛と、抹消だ」

「少女(ガキんちょ)の護衛と抹消ォ？」

「そうだ」

「ついにボケたか」ﾋｿ)

「春だしね。次期学長ってんで浮かれてるのさ」ﾋｿ)


あのねぇ……


それ聞こえるように言ってるの？


後々どうなるか分かってる？


僕が一人黙り込んでいる間に話はどんどん進んでいく


……なんか今デジモンの名前聞こえたな


要約すると、呪詛師集団「Ｑ」と時の器の会からその娘を守ればいいって話だね


「失敗すればその影響は一般社会までに及ぶ。心してかかれ！！」


　
夜蛾先生の激励を胸に、僕たちは任務へと向かった
　
　

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