問題児2人と保護者1人。ただし最強。

参拾肆話 ページ43

　
　
　
「なんであんなヤツ殺す必要がある？」

「あの青年は……御三家になり損ねた一族の生き残りかもしれない。この依頼主は盤星教じゃなく禪院家だ」

「俺に禪院家の役に立てってか？あの餓鬼が見当違いだったらどうする」

「その場合は仕方ない。禪院家が揉み消す」

「……いくらだ」


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「Ｑ」の残党……多分派遣されているのは2人だけだと思うけど


まだどこかに隠れてたり………


っ……！


「ほお……俺に気づいたのか？」

『貴方は誰です』

「それは教えられねぇな」


この人は「Ｑ」じゃない


だとすると盤星教か？


「代わりになんで俺が来たか教えてやるよ。俺はある宗教に雇われて中坊を殺しに来た。それと、禪院家にお前を殺すよう言われてる」


ﾄﾞｸﾝ)


『っは……？』


禪院家が、僕を、殺そうと……？


『どう、して』

「お前御霊家の生き残りか？アイツらはそこを疑ってんだよ」


疑ってるってことは確信じゃない


この人を味方につければ…


『…貴方、雇われたと言いましたよね』

「？あぁ」

『いくらです？盤星教と禪院家からの報酬は』

「……3000万と2000万だ。お前の命は安いな」


ｷﾞｭｳｩ)

爪が食い込むほどに拳を握りしめる


禪院家からすれば、僕の命なんてそんなもんでしょ


『…僕が貴方にその倍払うと言ったら、引き下がってくれますか』

「ハッ、高校生の餓鬼の約束が信用できると思うか？」

『こちらも命が懸かってますから』


小馬鹿にするように笑っていた彼は、僕の言葉を聞いて真顔になった


僕は睨みつけることもなく、ただじっと男性を見据えていた


「…わかった。お前を信じる。俺は手を引いてやる」

『俺は？』

「他にも呪詛師がいるだろうからな。警戒は怠らねぇほうが身のためだ」

『ご忠告どうも。貴方への報酬金1億円ですが、どう支払えば…「6000万だ」え？』

「2倍だろ。6000万だ」

『いや、あの、禪院家のほうは…』

「もとから受ける気はなかったからな。あんな家の言うこと聞いてられっか」


あんな家？


この人は禪院家と何か関係があるのだろうか


『貴方の、名前は？』

「…禪院甚爾。今は伏黒甚爾だ。俺からお前は御霊家とは関係ねぇって言っといてやる。勘だとな。ここに電話してくれ」


どこからか取り出した紙切れに連絡先を書くと、伏黒さんは僕に背を向けて歩き出した
　
　

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