問題児2人と保護者1人。ただし最強。

参拾伍話 ページ44

　
　
　
悟くん達と合流しないと


あ、いた


『悟くん！傑くん！』

「！良かった……」

「どこ行ってたんだよ！電話持ってねぇのか⁉」

『でん、わ…？』


ポケットから携帯を取り出すと、電源が切られていた


…自分で切ったんだけど


『ごめん、電源切ってた』

「はぁ…無事で良かった。何か収穫あったかい？」

『ひとりの人に星漿体暗殺を辞めさせて、少し情報を貰ってきたよ』

「は？何があったんだよ」

『詳しいことは後で話すよ。それで、この子が星漿体？』


悟くんの腕に抱えられ、未だ気を失っている少女


伏黒さんが中坊と言っていたから中学生か


僕が観察していると、急にその子は目を開けた


そして、


べちぃ)


……悟くんを叩いた


「下衆め！妾を殺したくばまずは貴様から死んでみせよ！」

「ﾌﾟｯ」

『傑くん笑わないの』


なんか、想像より元気そうだな


「理子ちゃん落ち着いて。私達は君を襲った連中とは違うよ」

「嘘じゃ！嘘つきの顔じゃ！前髪も変じゃ！」


理子ちゃんがそう言うや否や、悟くんが足、傑くんが腕を掴んで引っ張り出した


え、ちょっ⁉


『ちょっと⁉さすがにそれは駄目でしょ⁉』

「おっ、おやめ下さい！」

「黒井！」

『2人とも早く理子ちゃんを降ろして。丁寧にね』


傑くんの呪霊に乗って現れた一人の女性


傑くんに聞いたところ、星漿体である理子ちゃんの世話係だそうだ


「同化でおセンチになってんだろうから、どう気を遣うか考えてたのに」

「フンッ！いかにも下賤な者の考えじゃ」

「あ゛？」


……なるほどねぇ


つまり、理子ちゃんは星漿体として天元様と同化することになんの不安もないと


果たして本当だろうか


「あの喋り方だと友達もいないじゃろ」

「快く送り出せるのじゃ」

「学校じゃ普通に喋ってるもん！」

『余計に怒らせてどうするの』


ん？今黒井さんが「しまった」って顔をしたような…


「学校！！」


そう叫ぶなり理子ちゃんは黒井さんと何か言い合い出した


『何だ…？』

「学校へ行くって…アリなのか？」

「夜蛾センに連絡するか」


結局、彼女の要望には全て答えよって天元様からの命令があったらしく、友達に会わせてあげることになった


「傑、監視に出してる呪霊は？」

「あぁ。冥さんみたいに視覚共有ができればいいんだけどね。それでも異常があればすぐに………」

『…何かあった？』

「悟、A、急いで理子ちゃんの所へ」

「あ？」


「3体祓われた」
　

参拾陸話→←参拾肆話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す