キスにハマった赤井さん【赤井 秀一】

43 ページ44

・




「どうしたんですか、Aさん…
さっきからずっと世良ちゃんのこと
見てるみたいだけど…」








蘭の言葉にAは







『この子の顔…
凄く好みなんだけど
誰かに似てる気がするんだよね…』






と、唸り声を上げる







「Aさん、世良ちゃんに
惚れたなんて言わないで下さいよー」






ニヤニヤと笑う園子は楽しそうだ







『えっ、どうしたの？』







キョトンとするAに
蘭と世良は苦笑い








「世良ちゃんは
女の子なんだから」







園子の発言に
Aはバッと隣の世良を見た








『えっ、女…の子……？？』








勿論、目線は胸のあたりだ








「今は小さいけどAさんみたいに
これからボーンと大きくなる予定さ！」







世良がグッと胸を張る








(女の子とキスも悪くはないけど
やめておくか…)







Aは世良の胸と自分の胸を
見比べながらそんな事を思った







それからAは
世良が誰に似ているか考えるのを
やめてしまったのである






・
・

・




その後、ＪＫ３人と別れたAは
用事を済ませ
阿笠博士の家へと来ていた







『ねぇ、お願い！作ってよー！』




「いやよ！」




『哀ちゃーん…』




「そんな顔してもダメ」







PCに向かう灰原と
灰原に拝むA






実はAと灰原
このやり取りを彼此４０分は
続けているが






「ダメよ！」






の、一点張り







(計画にはソレが必要不可欠！
絶対に作ってもらうんだから…！)







Aはスマホを取り出すと
新一にメッセージを送る


すると、返事が返ってきて
内容を確認したAは上機嫌になった








「…何よ？」







ニコニコと笑うAに
灰原は冷たい目を向ける








『哀ちゃん…
比護さんのファンなんだってね』







「だったら何？」








『比護さん、私の小説のファンで
サイン本を渡したら
お礼にってサイン入りユニホーム
くれたんだよねー』







その言葉に
灰原のキーボードを打つ手が止まる








『ユニホームはもともと比護さんが
試合の時に着ていたものらしいの

もし…、哀ちゃんが私のお願いを
聞いてくれるなら

このユニホームを譲ってあげても
良いんだけどな…』








そして、Aと比護選手が
サイン入りユニホームを２人で持って
写っている写真を灰原に見せたのである

44→←42

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す