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<なんか教室に圭人がいないのって、変な感じ>
けれど、姿が見られない代わりに、授業中、裕翔からメールが届くようになった。
もしかしたら、あの時裕翔も、俺と同じ気持ちだったのかもしれない。
その寂しさを埋めるように、俺と裕翔は、休み時間なるたびに廊下で落ち合うようになった。
時々、お昼休みの時間も一緒に、校庭でお弁当を食べた。
といっても、裕翔はほとんどの時、お弁当ではなく、購買で一番人気のチョコレートのパンを食べていた。
口の周りにチョコレートをつけながら、裕翔は独り言のように、「俺、ハヤシライスとかチョコレートとか、なんか茶色っぽい食べ物が好きなんだ」といった。
「俺は、白っぽい食べ物が好きかも」
食べ物の色なんて意識したことはなかったけど、改めて考えてみれば、綿あめも、牛乳も、クリームパンも、俺の好きな食べ物は、白いものばかりだ。
「うん、圭人は白が似合う」
俺は真剣に答えたのが面白かったのだろうか。
裕翔はなんだか楽しそうに笑った。
そしていつしか、昼食を食べ終わった後、中庭の芝生に二人で寝そべって、一つのイヤホンを片耳ずつ共有して、それぞれの音楽プレイヤーから流れる曲を交互に聞くのが。恒例となっていた。
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でんでん(プロフ) - すごく綺麗な文章でファンになりました!めちゃめちゃ続きが気になります! (2017年8月26日 14時) (レス) id: ea6bd4582f (このIDを非表示/違反報告)
*:)高木雄也@加藤シゲアキ(:*(プロフ) - ゆやけLOVEさん» part1でもお会いしましたね!沢山のコメントありがとうございます! (2016年12月17日 11時) (レス) id: 726ef27e93 (このIDを非表示/違反報告)
ゆやけLOVE - なんかもぉ泣きそうです(><) それぞれが幸せになれることを祈ってます。 更新待ってますm(__)m (2016年12月17日 9時) (レス) id: a62276a76a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天藍凜@シェゾ依存症 x他2人 | 作者ホームページ:リア充ぶっ飛べ!
作成日時:2016年12月13日 17時