私の幼なじみと一緒に家に帰る ページ16
美味しいご飯を食べて、綺麗な夜景を見て、プレゼントを貰って、私はとても満足。といっても幼なじみの金を消費させているだけなんだけど。
申し訳ない気持ちがあるけど、幼なじみがせっかく私の就職祝いのために考えてくれたプランなんだから。
「今日はありがとう。楽しかった」
「ん。ならいい」
素っ気ない返事だけど、足取りは軽いから多分照れ隠し。
地元とは全然違う夜の景色を楽しみながら歩いていると幼なじみが私を見ながらくすりと笑った。
「なに？」
「いや…こういうの、久しぶりだ」
「ああ、確かに？」
高校生の時はテストが近くなると図書館で遅くまで勉強をして帰ってた。夏だったらコンビニでアイスを買って、冬だったら肉まんを半分こ。
私たちのささやかな青春。
噂をすればなんとやら。ちょうどコンビニがすぐそこにある。
「肉まんでも買う？」
「はぁ？ついさっきディナー食べたけど？」
「高校生の時みたいにしたいなって思って。どう？」
「あーー……行くぞ」
気が変わったのか幼なじみはコンビニに一直線し、私が財布を出す暇もなく肉まんを買った。
何も言わずに奢ってくれるとことか、包み紙と一緒に渡してくれるとことか、熱いから気をつけてって注意してくれるとことか、ほんと優しい。
今日は至れり尽くせりだ。
まあ肉まんを半分こして食べ歩きしたところで高校生気分を味わえるだけで特に何も無くて、ちょっとおなかいっぱいになっちゃうくらい。
こういうのも悪くないよね。
肉まんの包み紙をバッグにしまって手袋を履く。指先がかじかんじゃうくらいには寒いし、私は冷え性だから殊更寒く感じる。
幼なじみは手袋がないのか寒そうに手を握りしめてる。
「寒い」
「手袋持ってないの？」
「ない。手かして」
差し出される手に反射的に犬みたいに手を乗せるとするっと手袋が取られた。咄嗟に手袋を掴もうと手を伸ばすとその手を握られ、幼なじみのコートのポケットに一緒に入れられる。
「あれ、あったかい」
「カイロ持ってるから」
カイロあるなら寒くないじゃん。
それになんか、これ、カップルみたい。
「手離して？」
「ヤダ」
ヤダ、って……それはこっちのセリフ！！
諦めて歩きづらいのを我慢する。
幼なじみは満足そうに私の手を撫でたり握ったり。ほんとに私の手好きだねぇ。
歩きづらいって言ったらもっとこっち来てって。手離してくれればいいのに。
でも久しぶりだから、こういうのもいいかも。
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ベル(プロフ) - Twitterにフォロリク送りましたm(_ _)m (2023年2月7日 13時) (
レス) @page29 id: 7777acaa3c (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - めちゃくちゃ丁寧な展開に、キュンキュンシチュエーション。、最高です……ありがとうございます。 (2023年1月29日 23時) (レス) @page26 id: 1af3cf4740 (このIDを非表示/違反報告)
ブーさん(プロフ) - 初めてこんなにドキドキしながら読むことが出来ました。続きを楽しみにしてます！ (2023年1月10日 4時) (レス) @page21 id: 25eda4d66a (このIDを非表示/違反報告)
希彩(プロフ) - 読むのが楽しすぎて今一番更新を楽しみにしてる作品です…！！ (2023年1月6日 0時) (レス) id: ada02de52c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さうら | 作成日時：2022年11月30日 13時
