紅と赤の交わり ページ10
「____蓮」
『あ、尾崎さん』
任務当日。
支度を終え、
任務に行く前に資料をもう一度確認しようと蓮の執務室にいこうとした所で尾崎とあった。
まだ朝早いので、寝起きなのであろう、尾崎は髪を下ろしていた。
何時もの髪を纏め上げた姿もとても綺麗だが、下ろしているのも新鮮で、似合っていた。
『尾崎さん、今日も綺麗だね』
「なんじゃ、私を口説くつもりかえ?
蓮に口説かれるのは悪くは無いが、その位では私は落ちぬぞ?」
軽口を交わし、互いに少し笑う。
マフィアに入ってから一年ちょっとが経ち、
最初の頃から信頼していた尾崎とは誰よりも距離が近かった。
尾崎もこんな蓮を可愛がってくれて、本当に蓮は感謝していた。
「今日、任務じゃろう?
鴎外殿から話は特別に聞かせて貰った。
何とも厄介な組織じゃ。
わかっていない点が多いからのぅ」
『うん、でも………』
「然し、今回の任務で太宰に認めてもらえるのじゃろう?
頑張るのじゃぞ」
尾崎が其れを知っている事に少し驚いた。
微かに目を見開いてから、美しく微笑を浮かべる。
其れに尾崎は近づいてきて抱擁を交わした。
ふわりと香る尾崎の匂い。
この匂いが好きであった。
身近で、安心する匂い。
尾崎に触れられるのだけは何故か全く平気だった。
不思議に思い乍も、其れは尾崎が一番に蓮の心を開いたからであろうと結論付けた。
嬉しい温もりに、額を押し付け珍しく甘えてみる。
『うん。
俺、頑張るから』
そう言うと、尾崎が離れ代わりに肩を掴み視線を合わせる様に膝を折った。
慈母の様に優しい笑みを浮かべ、優しく蓮の髪を撫でる。
「蓮、其方は私にとって大切な存在じゃ。
我が子にも等しい程にな」
『………うん。
知ってるよ』
「………本当は、こんな任務行って欲しく無いのじゃ」
『うん』
「じゃが、この任務は其方にとって今迄で一番大切な任務じゃろう?」
『うん』
「私は其方を止めはせん。
ただ、これだけは守ってほしいのじゃ」
『うん、なあに?』
「____絶対に生きて帰ってくる事。
………約束してくれるかえ?」
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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時